パンチネロは教会劇で良く取り上げられる主人公の名前だ。もともとはマックス・ルケードという牧師が書いた絵本なのだが、福音的な事を分かり易く説明しているので子供たちにも人気がある。パンチネロはどちらかと言うと不細工で間抜けなキャラクターの男の子で、エリという彫刻家に作られた木彫りの人形だ。やる事なす事すべてドジばかりで、みんなに馬鹿にされてばかりでしょげている。でもエリにとってはすべての人形が大切でいらない失敗作はひとつもない。みんな大切な存在なのだという話し。
僕は反射的にそう思ったが、アルフレッド・リードの「パンチネロ」はこの絵本とは関係ないようだが、昔の田舎芝居の序曲的な性格のある曲で、絵本のBGMとしても決しておかしくない雰囲気を持っている。
冒頭からかなり盛り上がる前奏に続いてクラリネットによるどこか懐かしくおどけた旋律が表れて発展して行く。中間部はロマンチックなオペラのアリアのようでもある。ホルンとコール・アングレの奏でる旋律がどんどん幻想的な味わいを濃くしていく。コーダに入ってトランペットとトロンボーンがファンファーレ風に響き華やかな賑わいのうちに曲を閉じる。音色やリズムの変化、シンコペーションや転調による絶妙なポップの乗りの洒脱さでなかなか楽しい。
吹奏楽ではかなり人気の高い曲のひとつだ。パンチネロは16世紀頃のイタリアの仮面芝居劇の主人公となる道化の名前が起源でその後数百年に渡って間抜けでお人好し、現実離れしたキャラクターとして人気が高い。イタリア語では「プルチネラ」、ストラヴィンスキーの音楽でも有名なキャラクターだ。吹奏楽界では知らない人はいないほどの著名な作曲家兼編曲者のアルフレッド・リードは1921年1月25日に生まれた。何度も来日し、日本からの委嘱作品や日本でのコンクールのための作品もたくさん書き上げた親日家でもあった。≪Alfred Reed:Punchinello, Overture to a romantic comedy≫
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