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2016年11月05日16:11

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年に一度の若冲を見に行く

今年は生誕300年ということで空前の伊藤若冲ブーム。

わたしもいろんな場所で若冲作品を見たが、以前、NHKスペシャルで、わたしが現在住んでいる豊中市のお寺にも、若冲作品が収蔵している、と聞き知った。
しかも年に一度、11月3日、文化の日
のみの公開だ、と。

せっかく市内で若冲が見られるのだ。
配偶者を誘って、ふたりで電車とバスを乗り継いで、お宝があるという「西福寺」に向かった。
ひっそりした住宅街の中にはさまれたお寺が見えてくる。

しかし、着いてみると観覧者のすごい行列が・・・(^^;
いったい何人並んでいるのか。
寺の外、道路沿いにまで伸びている。
これは中に入れるまで1時間ぐらいかかるのでは?

結局、予想通り、山門の入り口で記帳するまでちょうど1時間。
混雑を避けるため、10数人ほどずつ入場制限しているようだ。

実はわたし、テレビで紹介された、枯れたハスを描いた水墨画だけが収蔵されているのだと思い込んでいた。
ところが受付でもらったパンフレットを見ると、なんとそれ以外の、金地にあしらわれた鶏の襖絵や野ざらしのドクロ図もあるというではないか!

なんだか思いちがいのおかげで、トクをしたような気分である(^^)。

パンフレットには西福寺の鶏図が、1973年発行の記念切手のデザインに採用されていた、と説明が。
それを見た配偶者、
「オレ、この切手、持ってた! 国際文通週間の切手!」。
それでわたしも思い出した。
昭和40年代は国民こぞって、と言っていいほどの切手収集ブーム。
当時、我が家でもわたしも父も兄も切手集めをしていた。
わたしもこの切手には見覚えがある。記憶が一気によみがえってきた。
あれは若冲作品だったのだ。
そのホンモノを40年以上たって、自分の暮らす街で見ることになろうとは。

鶏は伊藤若冲作品に頻出する題材だが、その複雑な羽毛の重なりと色彩の多彩なところが、
まさに彼の画力を発揮するには、うってつけだったのがわかる。
しかもサボテンと鶏を合わせるというコンセプトが、なんともモダンである。
タマゴかと思ってよく見たら、ちいさなヒヨコだった。

入場した観覧者たちは、みな食い入るように見ているので、なかなか列が進まない。

あえて死にゆくものを画題に選んだハスの水墨画は、若冲晩年の枯れた境地をよく表現している、とも言われているようだ。
とはいえ、制作年は、絢爛豪華な、「仙人掌群鶏図」と同年なのであるが。

寺の外に出ると、もうお昼近い。行列はますます長くなっていた。
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