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2016年10月20日21:44

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アイヴズ:オーケストラ・セット第2番

第1曲「我らの祖先への悲歌」、地の底から響いて来る古の声という雰囲気で始まる。靄の中から管楽器によるフォスターの「オールド・ブラック・ジョー」の旋律が聞こえて来る。古戦場跡の大地から蘇った古人の霊が開拓時代を共にした仲間へ呼びかけているようでもある。沈痛な声が地に染み入る。「フォスターへの序曲」というタイトルで構想中の別の作品がここで生かされたようだ。

第2曲「ロックストルーンの丘のキャンプに集って」、原題ではミーティングとなっているがこれは伝道集会のこと。アイヴズが子供の頃体験した野外キャンプの様子を描いたもので、殆どピアノ・コンチェルトとアイヴズが語ったそうだが、実際には様々な管楽器を試奏している雰囲気の方が強い。ジャズや民謡などいろんな音楽の断片がコラージュされている。教会のキャンプと言うと堅苦しく思うかも知れないが、一種の親睦会なので歌ったり踊ったり、キャンプファイアーやBQなど楽しいプログラムが多い。アメリカでは昔から盛んなのかもしれない。ロッククストルーンの場所は特定できないが、岩場を縫うような沢のある所だろう。

第3曲「ハノーヴァ北駅から」、1915年ドイツ海軍がアメリカ人128名を含む1200名が同乗していたイギリス船籍の豪華客船を撃沈したことからアメリカ全土で抗議の声が上がり、怒った人々がハノーヴァに結集した。その様子を目撃したアイヴズが民衆の悲しみや怒りを音楽として表現し、そこに犠牲者への哀悼の意味を加えたので、人々の様々な思いが複雑に絡み合ったかなり混沌とした音楽となっている。最後に堂々と鳴り響く音楽は聖歌で、その余韻を最弱音で残して終結する。尚、ハノーヴァー広場はマンハッタンにある。またこの怒りが切っ掛けとなってアメリカが第1次世界大戦に参戦したと言われている。《Charles Ives(1874.10.20 – 1954.5.19):Orchestral set no. 2》




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