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2016年10月16日10:15

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1164

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1164              

葉室麟・木下昌輝・富樫倫太郎・乾緑郎・天野純希・
沖方丁・伊東潤 「決戦!大坂城」

講談社の好企画だと僕は思うのだが、7人の作家に
よる歴史ものシリーズ。1回目は関ヶ原を取り上げ、
この大坂城が第2弾だ。この後は本能寺、川中島と
続いている。

ひとつの大きな戦闘を取り上げ、そこに参戦する
武将の一人ひとりを、それぞれの作家が描く。 
普通の歴史小説であれば、(信長だったり信玄
だったり)主人公がいて、主人公の視点で歴史が
展開される。このシリーズの良さというか面白さは、
同じ舞台にいて、それぞれの主人公が自らの
立ち位置の中で考え行動する様子が描かれている
こと。これにより読者は事件を多角的に立体的に
見ることができる。

本作では、茶々、真田信繁、近江屋伊三郎(米商人)、
水野勝成、松平忠直、豊臣秀頼、福島正守が登場
する。必ずしも有名な人物ばかりではないが、
それぞれが自らの意思に沿って、あるいは意思に
反して戦に関わっていく。

前作「決戦!関ヶ原」を僕は物足りなく思った。
これまで数多くの作家によって著された武将の
性格や思いと行動について、新たな視点が少なく、
新鮮味を感じなかったからだ。

今回の大坂城では、あまり一般には知られていない
人物が多く取り上げられたこともあり、面白く読む
ことができた。

大坂冬の陣と夏の陣がテーマであり、今NHKで
放映中の「真田丸」が好きな人には、おススメできる
オムニバス小説である。


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