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2016年10月15日08:54

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★洋ちゃんの読観聴 No. 1163

★洋ちゃんの読観聴 No. 1163             

映画 「淵に立つ」                         

深田晃司の脚本・監督作品。

小さな金属加工の町工場の経営者・利雄(古館寛治)は
妻の章江(筒井真理子)と小学生の娘の蛍との3人
暮らし。工場は父親から引き継いだもので、人を雇わず
1人できりもりしている。普通のどこにでもある家庭。

そこに突然、利雄の古い友人・草太郎(浅野忠信)が
表れる。利雄に「ここで働かせてくれ」と頼み、利雄は
妻に相談することなく受け入れる。しかも、住み込みだ。 
草太郎と夫の間には特別な関係がありそうだが、
草太郎はマジメで、オルガンを教えるなどして娘の
蛍もなついていく。章江も草太郎に好感を持つように
なっていく。

草太郎は刑務所から出所したばかり。殺人を犯した
のだ。このことは早い段階で草太郎自身が章江に
告げる。だが利雄は章江に草太郎の過去や彼との
関係は語ってくれない。

そして、草太郎と章江は禁断の愛へと入り込む。 
蛍のオルガンの発表会がせまったある日、家の
近くに出かけたはずの蛍と草太郎が帰ってこない。
利雄と章江は二人を探す。そして公園で二人を
見つけるが、草太郎のそばには血だらけの蛍が。
草太郎は逃げ出す。

8年後、利雄・章江・蛍の3人の生活は続いているが、
蛍は口も利けない車椅子の障がい者だ。夫婦は
興信所を使って草太郎を探すが、行方は分からない
まま。そんな折、若い男が利雄の工場に雇われる。
マジメそうな青年だ。ところが、彼は草太郎の息子
だった・・・。

友人との関係を語らない夫。そして禁断の愛に
踏み込んだ妻は、もちろんそのことを夫に言えない。
それぞれの秘密を持つ妻と夫だが、娘が負った
事件を、それぞれが自分の責任と受けとめる。

そして、興信所が草太郎らしき人間を見つけたと
いう情報を得て、一家3人は草太郎の息子と共に
探しにでるが・・・。

家族とは、いかに脆い関係なのか、思い知らされる
怖い映画である。楽しい映画ではない。しかし、
考えさせられる傑作。

章江を演ずる筒井真理子は、映画やTVドラマで
よく見る俳優。脇役ばかりで、美人のわりには
目立たない存在だったが、この作品での彼女は
素晴らしいと思った。映画賞の主演女優賞に
ノミネートされるだろう。


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