ブレヒトの詩に共感してたくさんの歌曲を作曲した音楽家としてアイスラーは有名な人だが音楽の中に思想を反映しすぎたせいか実際に好んで聴く人はあまりいないような気がする。日本では林光がブレヒトの訳詩を基にした作品をいくつも書いている。
この曲は要するに金儲けの歌なのだろう。別名「商人の歌」とも呼ばれる。歌詞を見ると笑える要素もあるインパクトの強い歌だ。教育劇「処置」の中の詩が用いられている。原曲はドイツ語だが、英語版も詩の内容的には変わらない。ブレヒトは1956年8月14日、58歳で亡くなった劇作家、詩人、演出家。演劇界には大きな影響を及ぼしたと言われる。《Hanns Eisler:Supply and Demand》
米は川を下って運ばれていた
生産地から遠く離れた地域でも米が必要とされるからだ
もし米の出荷を止めて市場をコントロールすれば
米の価値は跳ね上がる
荷船の船員たちは少量の米でも運ばざるを得ない
さらに少ない米を手に入れるのに私は苦労する
ところで、米ってなんだい?
そんなこと聞かないでくれよ
俺の意見なんぞ聞くなよ
米がどんなもんか俺は知らん
俺が知っているのはその値段だけさ
冬になれば労働者には暖かい服が必要になる
だから綿を買い占めてしまう
そうすれば市場は品薄になる
寒波にさらされる時期には衣服の値段はさらに高くなる
綿紡績工場の労賃はあまりにも高すぎるが
とにかく綿は売るほど溢れている
ところで、綿ってなんだい?
そんなこと聞かないでくれよ
俺の意見なんぞ聞くなよ
綿がどんなもんか俺は知らん
俺が知っているのはその値段だけさ
男の労働者たちはあまりにもたくさん食べる
それがコストを引き上げる
食事の用意をするために女たちも必要だ
調理人は食費を抑えるが
男たちは無頓着に食べる
それでも労働力はもっと必要ときてる
ところで、労働者ってなんだい?
そんなこと聞かないでくれよ
俺の意見なんぞ聞くなよ
労働者がどんなもんか俺は知らん
俺が知っているのは支払う金額だけさ
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