mixiユーザー(id:16255101)

2015年11月13日21:08

1030 view

ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第1番

第1楽章、とても明るく気分の良い主題が初めに提示される。ひらひらと舞い落ちる木の葉で秋の訪れが近いのかと感じるような、それを心待ちにしているようかのように楽しさに踊っている。中間部はさらっと乾いた風が流れるようだ。夏を惜しむ気持ちが表れているようでもある。冒頭の旋律に戻る。チェロとコントラバスがピチカートで主題を引き立てている。効果的な配慮だと思う。第2楽章、ほどよい暗さを感じる上品な曲想だ。低音を支えるコントラバスの存在にこれほど安心感を持てる曲はあまりないだろう。土台がしっかりしているから自由に舞えるのだ。深まり行く秋と悔いのない人生を歩んできた老人の気持ちが溶け合うような美しさがある。第3楽章、放たれた風船を目で追うような開放感と喜びに満ちたスケルツォ風の軽やかさが無上に楽しめる。当時23歳のアマチュアのコントラバス奏者の依頼で書かれたロッシーニが12歳の頃の作品。この人物はロッシーニにとって年の離れた友人であり、パトロンでもあった。初演に立ち会ったロッシーニはあまりにひどい演奏にあきれ返ったようだ。今では弦楽合奏や管楽器編成でも聴くことがあるがオリジナルはヴァイオリン2本とチェロ、コントラバスの四重奏のための作品。楽器編成もが曲構成もすべて同じ6曲ワンセットを3日で書き上げたといわれている。コントラバスに独立した声部を与えたことで表現力が拡大していることは注目できるだろう。傑作とまでいえないが、若さが漲っていて朝に聞けば一日爽快に過ごせそうだ。《Gioachino Rossini(1792.2.29 – 1868.11.13):Sonata I in Sol maggiore》




7 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する