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2015年08月29日21:38

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Serre chaude (ショーソン:温室)

世界的に有名なメーテルリンクの作品はいくつもあるが、その詩を元に書かれた歌曲は極めて少ない。その少ない中でショーソンの5曲からなる「温室」がもっとも有名だ。この曲はその第1曲目にあたり、曲名も曲集と同一のタイトルが付けられている。厳密には曲集としては複数形、曲名としては単数形の違いがある。しかしこの詩を読んでどんな情景なのか思い浮かべられる人は凄いと思う。難解な象徴詩はジグソーパズルのようなばらばらの断片が与えられるだけで一枚の完成した絵を見極めるのは難しそうだ。力強い熱気のうねりのようなピアノ伴奏に負けずに歌われるこの曲は声楽家にも容易ではないだろう。温室の中の農作業は夜しかできないと聞いたことがある。おそらく日中は植物も幻影にうなされ、雨を欲しがっているのだろう。メーテルリンクは1862年8月29日、ベルギーに生まれた劇作家。音楽の分野では「ペレアスとメリザンド」が世界に比類のない名曲の素材となったことで広く知られている。《Ernest Chausson:Serre chaude, Serres chaudes no. 1 sur des poèmes de Maurice Maeterlinck, op.24-1》





森の中に置かれた温室
その扉は永久に閉ざされたままだ
その丸屋根の下にあるものすべてが
よく似た僕の魂の下に

腹をすかせた王女のもの思い
砂漠を渡る水夫の憂鬱
治る見込みのない患者の病室の窓辺に響くブラスバンドの音楽

もっとも穏やかな片隅に行け
まるで収穫の日に姿を消した女のようだ
介護所の庭に主人を待つ御者が集まっている
看護人になった鹿を狙うハンターが遠くの方を行く


月に照らして調べてみよ
ああ、何もかもあるべき所にないではないか
まるで裁判官の前に立つ狂った女のようだ
運河に帆を膨らませた戦艦が進み
百合が生える辺りに夜の鳥が休んでいる
真昼に近い頃になる弔いを知らせる鐘
あそこ、あの鐘の下だ
草原にある病人のための仮小屋
晴れた日に漂うエーテルの匂い

神よ、神よ、いつになったら雨が降ってくるのでしょう
この温室に雪が降り、風が吹く日はいつ



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