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2015年08月19日21:23

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早坂文雄:ピアノ協奏曲

遠くの方で蜃気楼のようにホルンの音がもの悲しげに主題を歌い出し、様々な管楽器に旋律が受け継がれ管弦楽に橋渡しされ大きく高揚した所でピアノが厳かに登場し主題を変奏して行く。作曲者自身は人間の悲しみと誠実を描きたかったと語っているようだが、滔々とした流れが緩やかに蛇行し日本的な詩情が大河ドラマのように広がって行く。派手な所はないが美しい自然を見た時のような感動と美しさに浸れる。第2楽章、雰囲気は一転して金管のファンファーレに続いて小刻みで陽気な旋律がピアノに表れる。プロコフィエフを連想させるような楽想が自由に展開する。音の粒のひとつひとつが喜び踊っているような生き生きとした表情が素晴らしい。第1楽章は20分近いが第2楽章はその半分くらいの2楽章編成の協奏曲。当初チェレスタのための曲として構想されたが楽器の表現力の問題で独奏楽器をピアノに変更して仕上げられた。特に第1楽章はロマンの中に切なさが見える日本的な情緒が感じられる秀作と言えるだろう。早坂文雄は1914年8月19日、仙台に生まれた作曲家。映画音楽の分野でも多くの作品を残し、41歳で病没している。≪Fumio Hayasaka:Piano concerto≫




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