第1楽章「導入章」いきなりオルガンの不協和音が噴出しティンパニーの連続的な強打音が加わり不安感を煽る。破壊的な音塊が鳴り響くがレイフスのいつものパターンなのでそれほど驚きはない。神々しくも荒々しさを剥き出しにした自然の脅威を描いているのだろう。怪獣の出現の音楽と見ても違和感はない。コーダはいきなり瞑想的になる。極限に達して意識を失っているのかもしれない。第2楽章「パッサカリア」、コントラバスで重く救いのない主題が提示される。変奏が進むほど音の層が厚く混沌として来る。発狂寸前まで行ってから豹変してひたすら前進するしかない一本道にたどり着く。逃げ場はない。徐々に凶暴化しいつの間にか金管楽器と打楽器の音塊の中にオルガンが埋没するほど高まる。この壮大な音楽を聴きながらエジプトから紅海を渡ってシナイ半島に向かうイスラエルの民の大移動を連想した。途切れることなく第3楽章に入る。殆ど宇宙の崩壊のような騒ぎになる。稀に見るほどの大音響にもまれ飲み込まれて一瞬で消滅する。パッサカリアが主体で3分ほどの導入部と同じく3分ほどの終結部をつけたような面白い構成になっている。いかにもレイフスらしい取り止めのない音楽だが爆発的な音響を楽しみたい人にはうってつけかもしれない。レイフスは1968年7月30日に69歳で亡くなったアイスランドの作曲家。人口30万人の国に世界的に名を成した作曲家が現れたことは驚くべきことのようだ。《Jón Leifs:Konsert fyrir orgel og hljómsveit, op.7》
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