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2014年12月05日14:41

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まだまだ風邪の日々

咳もクシャミも出ないのですが、背中のバリバリはまだ続いていて、何より困るのはフルートを演奏した後に、微熱が出ているような感じのクラクラ感があること。ありえない程の疲労感。

演奏している時は集中しているので、なんともないのですが、終わった後が酷い。

という訳で、殆ど、練習していないここ数日です。でも、本番は14日、20日とあるので、合わせ練習やホールリハはあり、寒い中、フルートを持っての外出も疲れる。

大きな楽器のみなさん、ごめんなさい!顔(願)←こんな絵文字が出てきた!!

もう冬場は休業した方がよい年齢なのかなあ、とくじけそうになりながらも、気付きは進んでいます。

本日の大きな気付きは、「手の内の落とし穴」

手の内の凄いところは、多少ザツに作っても、結構それなりに効用があるところだな、とはかねがね思っていましたが、むしろそこが落とし穴だった。

例の法螺貝や手裏剣などでも、左右の濃淡、テンションを揃えることの効用で、より効率よいエネルギーの使い方ができます。

それをもちろん、フルートでも応用していて、左手だけの音の時に右手も休ませることなく、ドラえもんの手の内にして、糸を張っておく、ということを最近はよくレッスンでも指摘するようになっていました。

そして、本日の生徒さんの課題はマレのラ・フォリア。

右手のトリルが多い曲です。どうも、左手よりも、むしろ利き手である右手のトリルの動きの方が悪い。指のコントロールも響き、音色も。

そこで、ハタと閃いた。左手はキィを押さえていることで、仕事をしてはいるけれど、私達の意識には「脱力」「リラックス」信仰が沁みついていて、押さえた状態で脱力しているんじゃないか、つまり気が抜けて、糸が緩んでいるんじゃないか、と気が付いた。

「じゃあ、以前にもやったけれど、ちょっと救助ごっこをしましょうか・」と生徒さんには椅子に腰かけて手を組んでいただき、私がそれを救助。

音楽家講座や私のレッスン・講座参加者には、もうお馴染みの定番の四足歩行的前足の手の内です。一気に腰から繋がる優れもの。甲野先生はよくこんなことに気が付くなあ、と改めて思います。

「ね、ところが、こうなった手首や親指がのびてしまうと、とたんにだめに・・」

生徒さんにも行っていただき、「ね、この手の内、そのままで、フルートの左手、OKでしょう?こうなっているのとそうでないのとでは大違い・・」

でも、何故か、生徒さんの左手はすぐに、元に戻りそうになり、なんとなく使い勝手が悪そうです。
そこで初めて「!!」と気が付いた。

手の内に実感がこもっている・・・?

この手の内は猫がひっかっく時のような、虎あ「ガオーッ」となっているようなイメージ。
説明する時もそういえば、ついそんな比喩を使っていました。

この「ガオー」が曲者だった。そこに実感が入ると余計な力みとなり、それでも効力があるので、救助は出来るし変化もある。でも、これは一瞬。

フルートで数分続けるには、途中で疲れてしまう。ということが、本当にアリアリとわかったのでした。

これは他人事ではなく、私も同じく、まだまだ実感が入っていたじゃないか、と猛反省。
実感がないと、本当にこの手の内に変化しているかどうかわからない、つまり「実感がわかない」って湧いたらだめなんじゃん・・

「すいません!ちょっともう一度、さっきのやらせてください!」と救助ごっこのやり直し。

ああ、こんなに実感なくても、というか、むしろないからこそ、力が発揮できるじゃないの・・

あまりの実感のなさに誰よりも自分が騙されているような、「不思議な力」とでも呼びたいくらいの出力でした。って今頃・・

この「実感をそぎ落とす動き」というのは、昔から甲野先生は仰っていて、私も口ではそんなことをしゃべっていたのに、まだまだ実感まみれの手の内だったな、と本当にお恥ずかしい限り。

「糸を張る」「ガオー」という実感にひきずられていた。

「白川、舞台で本当に相手役を殺していると、相手役はいなくなっちゃうんだよ。」
「お涙頂戴の田舎芝居にならないように。」

とは師匠、植村泰一先生からよく受けていたご注意。
演劇論をひいて、注意してくださることも多かった。

演じる、演奏する、プレイ、シュピーレン・・

つまりは、みな細部まで繊細に計算しつくされた、美しい企みである。

なるほど、最近甲野先生が良く仰っている「演劇と武術」の共通点というのは、このことなのか?と思いをめぐらす。

「およそ、実感のある動きというものはろくでもないものです。では、どうやって、実感のない動きにしていくか。実感がないからわからない。もうこれは、実感のある動きを消していく、消去法しかないのです。」

10年前の甲野先生の言葉です。


葛根湯を飲んで、本日は少し練習。そして夜は、師匠、植村泰一先生のレクチャーコンサートです。






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