第1楽章、古典的に落ち着いた旋律が優しいが32音符の細かく揺れる伴奏に乗っていると雰囲気は新鮮だ。音楽は暗い背景を感じさせないが目の前に映画「禁じられた遊び」の幼い子の語らいが浮かび上がった。純真な暖かさを感じる。第2楽章、ふたりの子供が作った作品を手放しで喜んで見ている人の眼差しを感じる。それは砂でかたどった城かもしれないし、レゴで作った列車かもしれない。人が本来持っている愛の形をした音楽のようだ。第3楽章、第1楽章の反映を感じる。三連符の伴奏が続く中力のこもった歌が展開する。とても前向きでとても爽やかだ。聴き終った後の満ち足りた気分も格別だ。12分程度の曲だから、ソナチネなのだろう。内容的には十分にソナタに匹敵する濃さがある。ラヴェル自身楽しんで弾けたのではないだろうか。この曲は譜面をなぞって機械的に演奏したら死ぬだろう。標題は付いていないが、僕が勝手に各楽章順に「つぶやき」、「お城」、「夢」と想起しながら音楽の流れに乗っていた。≪Maurice Ravel(875.3.7 – 1937.12.28):Sonatine pour piano≫
ログインしてコメントを確認・投稿する