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2015年04月22日21:13

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ラロ:チェロ協奏曲

第1楽章、運命に翻弄された悲劇の主人公が丘の上に立ち負けてなるものかと新たな闘志を燃え上がらせてあたりを睥睨しているような雰囲気で始まる。レチタティーヴォ風に過去の様々な苦難の道を思い起こしているようだ。チェロの短調による第1主題からは激しい闘志を、長調の第2主題からは故郷の地を踏んだ安らぎが感じられる。この性格の異なる主題が交錯しながらオーケストラを伴って力強く前進して行く。もちろん作曲家の手腕も影響なしとは言わないが何を歌わせてもチェロの音色は心の奥底の琴線にまで触れ得るものだと思う。第2楽章、「間奏曲」というタイトルで単独でも演奏されるロマンチックな音楽。弾むような楽しさともの思いに浸る陰の気配の中に心が揺れている。あっけなく終わってしまうが、6分くらいあるのでアンコールピースとしても申し分ないだろう。第3楽章、チェロの息の長い序奏部に続いてオーケストラがスペインの風を運んでくる。付点音符のリズムが民族的な情緒を程よく表現している。チェロはオーケストラとは離れて自由に歌いこの曲の中では一番協奏的に活躍する場面となっている。熱を帯びて高潮したところで決然と幕を閉じる。ラロを聴いているとついスペイン人と思いがちだがスペイン系の血が入っているにしてもベルギーの国境に近いリール生まれのフランス人で性格的にも真面目で穏やかな人だったようだ。《Édouard Lalo(1823.1.27 – 1892.4.22):Concerto en ré mineur pour violoncelle et orchestre》




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