期待していなかったのに意外によかった作品です。
南仏コートダジュールでヨットの操縦士をしながら
気ままに遊び暮らしているプレイボーイのサミュエルのところに
いきなりあなたの子よと、クリスティンという女が生後数か月の赤ん坊を置いていく。
サミュエルは慌てて彼女を追ってロンドンに行くが見つからず、
ひょんなことからスタントマンという仕事を得て、娘グローリーとロンドで暮らすことになる。
前半は、おバカなプレイボーイとしてのオマール・シー色全開です。
しかし赤ん坊を押し付けられ、最初は戸惑い、怒りながら迷いながら、
なりふり構わずその世話をし始めて、父親の顔となって行く。
そうして8年。
グローリーは明るく成長し、サミュエルはスタントマンとして成功し、
二人の生活を楽しんでいる所に、いきなり母親クリスティンが現れる。
この人、おとなしい顔をしているくせに、とんでもない最低女だったのです。
(まあ、赤ん坊をいきなり捨てたところから分かっていたようなものですが)
今までの自分の行状はさておき、親権をよこせと裁判に訴える。
あまりにも身勝手なクリスティンにサミュエルは怒り心頭だが、
娘の手前、実の母親である彼女を辛辣に非難することもできない。
そしてまた彼は、もっと深刻な問題も抱えていた。
その問題について、映画の中盤、ちらりと触れるシーンがあるのです。
病院の医師がサミュエルに、もう尽す手がないと言う。
うなだれるサミュエル。
日本語字幕では主語がまったく語られなかったので、誰のことだか分からなかったのですが
あれ原語だとどうだったのだろう?
ラストは、ああこう来るのかとアッパーパンチを喰らったような思いです。
あまりにも悲しいラストでしたが、そのシーンそのものは出さないので
爽やかな思いが残ります。
愛する人との限られた時間を、いかにして過ごすか?
その別れを、どうやって迎えるのか?
サミュエルは崖からは飛び降りられなかったが、人生の困難に立ち向かう姿は見事なものでした。
これは父と娘のバディ物語であり、一人の男の成長譚でもあるのです。
英題は「Two is a Family」、「ふたりは家族」というような意味でしょうか。
公式HP
http://ashita-saikou.jp/
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