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2017年02月16日21:09

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ゴセック:革命歌の組曲

第1曲、「うまくいくさ」、比較的陽気で楽しい舞曲だ。何が旨く行くのかと言えば貴族を吊るせ、縛り首にしろというものだ。マリー・アントワネットも好んでクラヴサンで弾いていたようだ。もちろん日増しに過激になる歌詞が付く前の話で、歌詞は当時の流行歌に後付けされたもの。

第2曲、「暴政に対し目覚め立ち上がる人々」、これもタイトルとは逆にのどかな曲だ。悪政に騙されず、恭順せず、野蛮人から人民の主権を取り戻すために命を懸けよと叫ぶ勇敢な歌詞を付けて歌われた。「暴政に対し」と訳した部分は原語では「テロリストに対し」てとなっている。今とはちょっと意味合いがずれているようだ。元々は暴君を中心とした支配者階級の者を意味した。

第3曲、「いと高き方への賛歌」、ホルンによる神への賛美が美しい。力のない者が権力に立ち向う時に神の加護を願うのはキリスト教社会において当たり前だろう。しかし多くの場合、キリスト教徒同士の間で戦いが起こっているのも事実。神はどちらを勝利に導くのか。一時的に負けても最後には正義が勝つ、それが神の御業だろう。

第4曲、「バラとヴィアラの祭りのための賛歌」、バラとヴィアラは実在した子供の名前だが、今ではフランスのために参戦したすべての少年たちの代名詞として使われる。バラは王党軍の捕虜となり、国王万歳と言えと強要されたが、「共和国万歳」と叫んで殺された。14歳で死んだ彼の遺体は現在パンテオンに祀られている。ヴィアラについては詳細が分からないが、同じような運命をたどったのだろう。清々しい音楽だ。熱狂的な祭りではなく、少年の純粋な愛国心を称えるに相応しい誠意を感じる。

第5曲、「勝利の行進」、ラッパに先導されての勝利の凱旋だが、それほど活気のある音楽ではなく、負け戦にしょげて帰還したような雰囲気もある。感情を剥き出しにせず、穏やかに、しかしながら喜びの感情が伝わって来る。当時の傾向なのだろうが、戦いのたびに数十万の犠牲者を出した事を考えれば、節度を守るのももっともだ。

この組曲は当時盛んに歌われた曲から5曲選んで編曲されたもので、ゴセックのオリジナル曲は含まれていない。救国軍の楽隊指揮者を勤めていた関係で、ゴセックも革命歌の作曲家と称される一面がある。日本では「ガヴォット」でかろうじて知られている作曲家だが、多岐に渡る膨大な作品を残している。1829年2 月16日、95歳で亡くなった。《François-Joseph Gossec(1734.1.17 – 1829.2.16):Suite d’airs révolutionnaires》





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