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2017年01月11日20:58

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カリンニコフ:序曲「ブイリーナ」

ブイリーナは口承による英雄叙事詩の総称で特定の時代背景や人物がいるわけでもなく、100人以上の英雄伝が広い地域で語り継がれていた。記録に留めようと調査されるようになった時点で多くの話しが逸散し採集不可能になっていたようだ。ロシアの歴史を検証する上でも各地のことばの時代的地域的な変化を知る上でも貴重な資料とされている。

この序曲に登場する英雄は現実に存在した農民の指導者や圧政から民を解放した者などの伝記で創作された物語ではないとされる。カリンニコフの音楽はそういったことをわきまえて遠い昔の英雄を偲ぶような雰囲気で始まる。歴史を彩った今では個人名さえ残っていない英雄たちの魂に語りかけている。

管楽器を伴って激しく高揚する中間部はこういう人たちの活躍で今の自分があり、国がある、と確信する熱い感謝の思いのように思える。こんなに優しい音楽はカリンニコフの郷土愛の深さから生まれているに違いない。後半で何度か繰り返される旋律が旧ソ連国歌と驚くほど似ているのが指摘され話題になったことがあるが、偶然の一致とみなされているようだ。いずれにしてもソ連国歌の誕生はこの曲の完成から40年後のことなのでカリンニコフに不名誉なことは全くないが。《Vasily Kalinnikov(1866.1.13 – 1901.1.11):Bylina, Epic poem》




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