あまりにもあっけなく終わってしまう小さな歌曲だが、どことなく海の匂いを感じさせるピアノの淡々とした伴奏が夜の情景にふさわしい。水夫は酒に酔っていたのだろうか。海はとても穏やかなようでまさか死ぬようなことはなかったと思うが別名「悲しみの歌」のタイトルでも知られている。
ドビュッシーにしては珍しくモーリス・ブショールによる詩を用いている。ブショールは1855年11月18日生まれの詩人で劇の舞台用の作品なども手掛けている。クラシック音楽の分野ではショーソンの「愛と海の詩」を始めとする歌曲に用いられているのが目立つ。《Claude Debussy:Le matelot qui tombe à l’eau》
夕暮時に
水の上に響く歌が聞こえる
月をつかみたくて
水に飛び込んだ
船乗りの声に違いない
すすり泣く波を
月が照らす
船乗りが水に落ちる
音符が飛び散り
水の上を走り抜けるのが聞こえる
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