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2016年10月29日21:09

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Les copains d'abord (仲間優先)

フランス人ならみんな知っているんじゃないかと思えるほど有名な歌。ひとことで言えば「俺たちは仲間だ。死んでもその気持は変わらない」って事なのだろうが、博識ぶりを発揮した歌詞に感心する。

メデューズ号はフランス海軍の軍艦、19世紀初めの話なので当然帆船だがアフリカ沿岸沖合で座礁、急ごしらえの筏で150名の乗組員が脱出したが救出された時には1割に減っていた。当時ヨーロッパ中で指揮官の無能ぶりが非難されたようだ。若い画家ジェリコーがこの場面を想像で描いて、衝撃を与えた。事実上のデビュー作でルーブル美術館に買い取られた。

仲間優先号は歌の中の作り話で実際には存在しない。父さんアヒルや池などからするとイメージ的には遊覧船なのだが、海難事故があった設定のようなので外洋の話だろう。

「たゆたえど沈まず」はパリ市の標語。パリの発祥地シテ島を船にたとえたようだ。カストルとポリュックスはギリシャ神話に登場する双子の兄弟で、兄弟愛の象徴となっている。

ヨハネ、ペテロ、パウロはキリストの弟子だが、フランス風にすれば、ジャン、ピエール、ポールと言うもっともポピュラーなフランス人の名前となる。仲間にそう言う名の人がいるのはありえる話しだ。

トラファルガーでイギリス艦隊に負けたことをフランス人は未だに悔しがっているようだ。これによってヨーロッパの広域を手中にしたナポレオンはイギリス本土への進攻を諦めざるを得なかった。

仲間が集まるのはおそらく数十年後の姿を思い描いているようだ。水面に掘った穴は海の男は海に埋めるという比喩的な表現なのだろう。死んで何十年経っても仲間のことは忘れない、凄い結束が表れている。《Georges Brassens(1921.10.22 – 1981.10.29):Les copains d’abord》



 

いやあ、ありゃあメデューズ号の
筏なんかじゃなかったよ
港の奥のあの界隈じゃ噂になったけどよ
聞くところによればどうやら
アヒルが住んでいる大きな池を運行する船で
父さんアヒルのような存在だったらしいぜ
なんでも仲間優先号って呼ばれていたようだ
お先にどうぞって心意気でよ

「たゆたえど沈まず」のラテン語の標語
それは単なる飾りの名句ではなかった
運命を司る神は気に食わねえだろうけど
運命を手玉にして遊んでいるあいつにはよ
あの船の船長と船員たちは
これっぽっちも悪魔の子じゃなかったわけさ
上も下もない、気兼ねなく付き合える海の仲間
いつでも仲間を優先したのさ

そりゃカストルとポリュックスのような
血肉の兄弟みたいにって訳にはいかないさ
ソドムとゴモラのような関係でもなかったぜ
ソドムとゴモラの腐った人間とは大違い
モンテーニュとラ・ボエシーに比類できる
運命的な生涯の友でもない
でもよ、太鼓判を押すように強く腹を叩いて
何でもお前が先に行けって譲りあっていたのさ

まさか天使のようだとも言いはしないけどよ
だいたい聖書だってまともに読んじゃねえぜ
船の帆に命を賭けて愛し合う仲だったんだ
船の帆にすべてを託して
ヨハネ、ペテロ、パウロと他の弟子たちは
主の祈りと使徒信条と罪の告白で
ひとつになっていたように
あいつらは「仲間優先」で結束していた

トラファルガーの大敗の再来の気配でもあれば
総員団結して船は仲間意識でうまく操作する
当直も進路を維持するのも友情の力
一路北を目指して舵を取る
乗組員の腕がSOSを告げるような
困難な状況に直面したら
誰もがこんな船舶信号を受けたような反応をする
仲間を優先せよ

こんな最高の仲間が集まるとなりゃ
すっぽかすような奴はいやしない
会場に乗船して来ない奴がいるとしたら
そいつが死んじまったってことよ
そうさ、でも決して、絶対に、確実に、決して
水面に掘った穴はたとえ100年経っても
ふさがりゃしない
いつまでも穴を感じるって、寂しいぜ

そりゃ、いろんな船に乗ったぜ
でもよ、この船しか俺にはなかったのさ
ずっと乗っていたいと思ったのはよ
ずっと乗っていたいと
アヒルが住んでいる大きな池を運行する船で
父さんアヒルのような存在
仲間優先号って呼ばれていた
お先にどうぞって心意気でよ

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