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2015年11月27日21:26

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オネゲル:交響曲第1番

第1楽章、音楽の力強さと推進力から有名な「パシフィック231」の延長線上を走っている曲だと思わされる。2曲の作曲年代に7年の間があり、その間に幾多の作品を発表しているので直接的な関与があるわけではなくオネゲルの趣向なのかもしれない。不協和音を盛大に撒き散らしながら何もかも蹴散らして前進する爽快さにスカッとする。ポリフォニックな音響が勝利感に踊っている。第2楽章、緊張感の張り詰めたアダージョ。穏やかな音楽だが一触即発の状況下では逆に冷徹な恐怖感が高まるばかりだ。弦と管がそれぞれに問いかけているが応答がないままクライマックスに達すると急激に諦観のムードに引きずり込まれてもがいているようだ。美しいともいえるが病的な陰鬱さにすっかり精気をなくしているようだ。不吉な警鐘の余韻を残して曲を閉じる。第3楽章、忍び寄る脅威の歌だろうか。管楽器による蛙の合唱のようだ。弦楽器が威嚇的に飛び出してかなりまとまりに欠けた進軍の模様を描く。怖さより滑稽な味わいが強い。調性的に明るく表現された無秩序がこれほど美しく見えるとは不思議だ。後半は予想もしなかった牧歌的な穏やかさを取り戻している。終結部は殆ど感謝の祈りのような平和に満たされて曲を閉じる。《Arthur Honegger(1892.3.10 – 1955.11.27):Symphonie no. 1》




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