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2015年07月18日21:41

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ブラガ・サントス:交響曲第5番「ルシタニアの美徳」

第1楽章、打楽器の小刻みな律動で開始する。抗いがたい運命の鼓動かもしれない。音は透明なのだが行き先の見えない不安感が煽られるようだ。第2楽章、湧き出る水が流れ出すようなきらめきが反映する一方で水のそこに蠢く不気味なささやきが気になる。地下道の奥深くを手探りで進むようなおぼつかなさがある。第3楽章、さらに混沌として来た。笙のような響きに誘われて踏み込んだところは冥界か宇宙の深淵か。脱出できない焦りが高まる。明確に鼓動が聞こえて来て段々他を圧するほど高まる。運命と感じるものはひとつの歯車で一個が狂えば全体が誤作動を起こす巨大な生命体の内部の回復機能の働きなのかもしれない。第4楽章、膨大な量のエネルギーが一気に拡散される。火山の爆発を超えるエネルギーの飛沫が宇宙を形成し混沌とした静寂を生み出した。このエネルギーは形が変わっても消えることはない。永遠の変幻自在の中に秩序が生まれている。それが運命のひとつの側面なのかもしれない。コーダでは燃え尽きない力を誇示しながら不思議な曲を閉じる。タイトルのルシタニアは現在のポルトガルに位置した古代ローマの属領を指し、美徳は勇気とも訳せるが、作曲者が歴史的な出来事を念頭に描写したとも思えない。《Joly Braga Santos(1924.5.14 – 1988.7.18):Sinfonia n.º 5, op.39, "Virtus lusitaniæ"》




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