第1楽章、ヴァイオリンのソロがいきなりどこか辛い過去を振り返っているような痛みを感じる第1主題を歌いだす。主題を引き継ぐオーケストラは深い悲しみに悶えているようだ。第2主題は落ち込んだ気分を引き上げるような動きを繰り返し変奏的に展開する。中間部では主題が次々と楽器を変えてかなり華やかに変容する。コーダに入って低音楽器の奏する主題に支えられてヴァイオリンが自由に舞い始めきれいなフィニッシュで決める。第2楽章、冒頭の弦楽器のピチカートを聴くといつも夢の国に入るような期待が湧いて来る。その上にヴァイオリンの甘い旋律がゆったりと流れる。ページをめくると新しい冒険や遊びに突入するような豊かな音響の変化にわくわくする。3連符の反復、拍子の変化、ハーモニックスなどの効果を出しながらも控え目な美しさに満ちている。第3楽章、希望に向かって突き進む力強さを感じる。民族的な旋律に粗野で衝動的な感情を織り交ぜたような激しい動きが心地よい。カスタネットや大太鼓も加わって熱狂的なエンディングを迎える。20世紀のヴァイオリン協奏曲の中でも最高峰の傑作と言えるだろう。《Sergei Prokofiev(1891.4.23 – 1953.3.5):Violin Concerto No. 2 in G minor, op.63》
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