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2015年03月10日21:40

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オネゲル:交響曲第2番

第1楽章、暗闇の奥底から妖気が立ち上るような雰囲気で始まる。ビオラの執拗な連打音がシンコペーションで繋がっている。三途の川に打ち寄せる小波のようだ。音楽は激して凄まじい戦いが避け得ないと悟ったような暗雲と諦観にもまれて流されていく。第2楽章、不吉なアダージョ。チェロが悲しみを堪えてうめいている。前進しているのにちっとも進んでいない、前を見なければいけないのに振り返りたくなる。オーケストラは死に体で絶叫の極まりを築く。血にまみれた音楽は痛みを引きずって減衰する。第3楽章、前のふたつの楽章に比べればリズムもハーモニーにも生気を感じるが依然として出口のない迷路に放り込まれたような雰囲気だ。未来への展望が持てない、行き当たりばったりの選択。フィナーレで突然トランペットが参加して勝利を高らかに歌う。場違いのようだがこれがないと絶望の淵で行き所を失ってしまう。それでは救いがないではないか。ただしこのトランペットはオプション扱いになっている。オネゲルは破局からの回復に懐疑的だったのかも知れない。この曲はヒットラーの台頭に憂いを感じていたオネゲルがパリ陥落をきっかけに書き進めた。弦楽合奏の中で悲痛が極まり最後の救いが強調されている。《Arthur Honegger(1892.3.10 – 1955.11.27):Symphonie nº 2 pour cordes et trompette ad libitum》




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