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2025年05月05日20:54

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「女の子たち風船爆弾をつくる」小林エリカ著

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先の大戦下において、女子学生たちが風船爆弾製造に駆り出されていたという話は知っていました。
風船で爆弾をアメリカ大陸まで飛ばす?
日本は何処まで追い詰められていたのだ、それは竹槍でB29をつつくような話ではないかと思っていたのでした。

風船爆弾は、1944年11月から1945年4月まで全国の女子学生によって作られた。
巨大な風船を和紙とコンニャク糊で作り、それに焼夷弾と爆弾を吊り下げ、約9千発が発射されたのだそうです。
全国25ヶ所で作られ、例えば小倉造兵廠で働いた少女たちは、学徒特攻隊と名付けられ、一日に二交代、飲んだり食べたりする時間さえないまま昼と夜の12時間、やがて15時間ぶっ通しで働かされた。寮生活で睡眠時間も3,4時間しか与えられず、覚せい剤を飲まされていたと。何を作っているのかも知らされないままで。
アメリカ大陸に到達したと考えられているのは約千発、そのうちオレゴン州ブライに到達した1発で、アメリカの民間人6人が死亡したのだそうです。

「ここでは、わたしたちの兵隊にとっては女を、少女を、姦すことも、ころすことさえ、あたりまえだったから。わたしたちの兵隊は、わたしたちの軍から支給される『突撃一番』のゴムをつけ、あるいはゴムさえつけずに、わたしたちのものになった女を、少女を、姦し、ときには殺す。」
「街が、首都が、陥落するとは、占領されるとは、つまり、そういうことだった。
この街の、大森の、全国の街の慰安所に、わたしたちのうちの女が、少女が、集められた。わたしは、わたしたちの戦争に敗けたわたしたちの国が、わたしたちの政治家の男たちが、まず初めにやったのが、わたしたちのうちの女を、少女を、連合国の兵隊に差し出すことだったとは、まだ知らない」

この本は、詳細な調査により、多くの記録や証言からすくい上げた、当時の少女たちの声の集大成のような本です。
多視点並列で描かれる独特の文体には戸惑いましたが、独特の臨場感はあります。
にしても、9千発発射して、殺したのはたった6人とは。
それを思うと、やはり竹槍でB29をつつくようなものだったような気もします。
そして、ふと英語の副題に気が付きました。
「The Paper Balloon Bomb Follies」
Folliesは愚劣とか愚かなことといったような意味。
「風船爆弾愚行」とでも訳するのかしらん。

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