文化村ザ・ミュージアム30周年記念、「ロマンティック・ロシア」展。
国立トレチャコフ美術館所蔵の72点を紹介するというものです。
最初の風景画のコーナーでは、春夏秋冬の順にそれぞれ何点もの作品が展示されています。
春は、例えばイサーク・レヴィタンの「春、大水」。
ロシアでは春になると雪解け水で川があふれ、洪水が起こる様子を描いたというもの。
夏で印象的だったのは、イワン・シーシキンの「正午、モスクワ郊外」。
広大なロシアの大地、それよりも三分の二以上の画面を占める広大な空、入道雲。
秋は、やはりシーシキンの「雨の樫林」。
少し暗い、霞がかかった森の風景が、行く夏を惜しんでいるかのよう。
そして冬は、ワシーリー・バクシェーエフの「樹氷」。
雪に覆われたロシアの神秘的な光景、雪の精がキラキラと舞っているようです。
しかしこの展示会で圧倒的な存在感があったのは、なんといってもイワン・クラムスコイの「忘れえぬ女(ひと)」。
この女性のモデルについては、トルストイの「アンナ・カレーニナ」であるとか
諸説飛び交っているようですが、結局決定打はないようです。
クラムスコイ自身、この女性については何も語っていないらしい。
中野京子の著書「美貌のひと」によると、この「忘れえぬ女」というタイトルは
本作が展覧会に来日した際に、日本人がつけたらしいのです。
”なぜならこの顔には東洋が感じられる。日本人にとって彼女は、
モナリザと異なり、はるかに親近感を抱ける対象だ”と。
だから「Unknown Lady」(見知らぬ女)が、いつの間にか「忘れえぬ女」に変わってしまったのだと。
確かに見れば見るほど、神秘的な美貌の女性です。
しかし私の頭には、新聞広告で見た「名画で学ぶ主婦業」という本のこの絵についての
「私もう去年役員やったから」という台詞がこびりついてしまったのでした。
「ロマンティック・ロシア展」
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_russia/
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