1973年に実際にローマで起きたゲティ3世誘拐事件を基にした作品です。
フォーチュン誌によって「世界一の大富豪」に認定された石油王のジャン・ポール・ゲティ(クリストファー・プラマー)の
孫ポールが誘拐され、1700万ドル(当時の日本円で50億円ですって)が要求されるが、
ゲティはそれに応じない。
「ここで身代金を支払えば、ほかの14人の孫にも誘拐の危険がおよぶ」
というのが彼の弁ですが、この人、異常なまでのケチなのです。
離婚によりゲティ家を離れていたポールの母ゲイル(ミシェル・ウィリアムズ)は、
息子のために誘拐犯のみならず「世界一のドケチの大富豪」とも戦うことに。
金は払いたくないがさすがに知らん顔もできないゲティは、
元CIA職員のフレッチャーをゲイルのもとに送り、身代金交渉をさせようとするが…
世界一のドケチと強欲な誘拐犯の交渉は、中々成立しない。
痺れを切らせた誘拐犯一味は、遂にポールの身体の一部を送りつける。
身代金を一銭でも値切りたいドケチ大富豪ゲティ。
妻子を捨てて麻薬に走り、廃人のようになったその息子。
何を犠牲にしてでもポールを取り戻したい母親ゲイル。
富豪の顔色を伺いながら、ゲイルとの連絡係をするフレッチャー。
犯人側と被害者家族をつなぐチンピラの交渉役チンクアンタ。
大金を巡ってうごめくエゴむき出しの人間模様が、なんとも面白い。
ポールを監禁した誘拐犯のアジトは、南部のカラブリア地方。
ここはイタリアでも最貧地域で、マフィアが地元に密着しているといいます。
なんと警察までもがマフィアと結託しているのです。
痺れを切らせた誘拐犯たちが、ポールの身体の一部を切り取るシーン(私はずっと目を瞑っていた)、
終幕近く、建物に挟まれた曲がりくねった石畳の細い路地をポールが必死に逃げるシーンでは、
観る側は呼吸困難になりそう。
複雑な人間模様を取り込みながら、一級のサスペンス映画に仕上がっています。
当初ゲテイ役を演じたケヴィン・スペイシーがセクハラ問題で降板。
御年88歳のクリストファー・プラマーが急遽代役することになり、
たった9日間で撮影を終えたのだそうです。
80歳のリドリー・スコット監督といい、凄いなあ…
「ゲティ家の身代金」
http://getty-ransom.jp/
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