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2017年07月29日21:13

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シューマン:飛翔

音の響きも漢字もどことなくカッコいい飛翔。いろいろな解釈があるが羊は神を表わしているという中国古来の発想は遠い昔からキリスト教思想が中国にまで届いていた裏づけの一端にもなりえると思う。キリスト教では羊はキリストの象徴であり、キリストは三位一体の神の神格のひとつだからだ。

さらに人々の祈りが神に届き、それを叶えてあげようと神が奔走している姿が「翔」の起源なのだそうだ。この発想は聖書にはない独自のものだが、この曲の冒頭から忙しく駆けめぐる神ならぬ天使の姿が見えるとしても不思議ではないほど、切迫する付点のリズムに圧倒される。

その一方で、飛翔と言うタイトルを持ちながらも大きく羽ばたきたくても足枷に繋ぎ留められたシューマンの苦悩がちらつく。相思相愛のクララとの関係も思うように順調に進まないあせりが、追いかけてもタッチの差で届かない左右のリズムのアンバラスな状態に窺える。

鷲のように大空を翔けたい、誰もが抱く夢だが、花咲かずに枯れてしまうのは必ずしも重力の問題だけではないようだ。《Robert Schumann(1810.6.8 – 1856.7.29):Aufschwung, Fantasiestücke Nr. 2, op.12-2》




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