ある時一匹の痩せこけたボロ雑巾みたいな野良猫がさまよいこんで来た。もう何日も何も食べていないような状態でふらふらしていた。それでも必死になってヘイゼル家の飼い猫クラーケンから餌を盗み取ろうとしていた。こうしてヘイゼル家の一員になったわけだが、当初は強度の不良猫で、人の情けは受けずに自分の食い扶持はクラーケンの餌を狙って横取りしようとする凶暴な性格が治まらず、安心して家の中に入れてあげられるまで数ヶ月かかった。最初は毛の色から「ジンジャー」と名付けたたが、最終的に「ミスター・ジャムズ」と呼ばれるようになった。
冒頭のフリューゲルホルンの甘い響きで優しく朗らかな雰囲気で満たされ、後半はピッコロトランペットの活躍で優しくおとなしい性格を表す。聞いていて幸せな気分に浸れる曲だ。荒んだ生い立ちのかけらも感じさせない。
どん底を知った人が改心すると誰よりも他人に思いやり深くなれる場合がある。どんな環境でも生き抜いた経験がプラスの方向に強い力となるようだ。ジャムズも最終的にはヘイゼルの飼い猫の中でもっとも穏やかな性格に変わったそうだ。
「猫の組曲」の中の第1曲。ヘイゼルは飼い猫7匹の名前をタイトルにした7つの曲を発表している。ヘイゼルは今も活躍しているようなので、猫シリーズがさらに追加される可能性はあるかもしれない。7匹の猫の中にはすでに他界した猫も含まれている。尚、文中の猫の履歴に関しては作曲者自身の覚え書きを基に脚色を加えた。《Chris Hazell(1948.2.18 - ):Mr. Jums, Three brass cats no. 1》
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