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2016年08月18日21:16

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シュルホフ:交響曲第1番

第1楽章、中つ国皇帝が水遊びをしている情景風音楽。水がざわめいている。琵琶風の爪弾き、ラインの乙女たちと思いきや、能天気なトランペットの出現。イメージはいっぺんに崩れる。女官たちがそれぞれ意匠を凝らした水着で水中遊泳を楽しみ始める。後半で皇帝がスネアドラムの連打につられて厳かにスキップしながら登場。平泳ぎで水中蹴鞠を楽しむひと時。武官も文官もみんな平伏し顔を上げない。実際は見たくもない遊興を見る気にもならないだけなのだが。同じ旋律をこねくり回して煮詰めている音楽が意外に面白い。





第2楽章、虎が徘徊https://www.youtube.com/watch?v=AWkX_68hAZoする夜の森の中、湯上りの皇帝が木陰で涼んでいる。スリルに満ちた穏やかさ。皇帝は自分の身に何かが起こるはずはない、太陽も月も自分に逆らうものなしと信じている。後半はスケルツォ風どんちゃん騒ぎ。どうやらこの皇帝は鳴り物とスネアドラムの先導なしにはひとりで動かないようだ。どたばたと御退座。





第3楽章、皇帝はピーヒャラ・ダンス選手権出場のために寝ても覚めても他の事が頭にないのだ。何かに似ていると思っていた音の正体はこれだった!赤い旗がたなびく中、歴史を捻じ曲げても過去の栄光をあざとく誇示して場違いな国威を発揚している。行進曲風の旋律は未来永劫に続くかのように鳴り響き、あきれ果てた聴衆を前に虚栄の幕は裂かれる。





まさか、そんな音楽ではないが、未完成を除けば6曲ある交響曲のほか200曲くらいが現存するようだ。ユダヤ人の家系であったため頽廃音楽の烙印を押され、強制収容所で生涯を閉じた不幸な作曲家だが昨今復活上演が増え録音も積極的に進められているようだ。《Erwin Schulhoff(1894.6.8 – 1942.8.18):Simfonia no. 1, op.5》

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