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2016年06月04日21:04

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サン=サーンス:耳の長い登場人物

この曲のタイトルには明確な動物名が表記されていない。表向きには驢馬を指し、裏では知ったかぶりで酷評する評論家を揶揄していると解釈が広く受け入れられている。

驢馬の鳴き声を表す上昇音がふたつのヴァイオリンで掛け合う。通常の意味では主題とも音楽とも言えない耳障りな鳴き声。驢馬ってこんな声だったかどうか。思い荷物を運ばされている苦しまぎれの悲鳴のようだ。

「王様の耳は驢馬の耳」と言う寓話を思い出す。自分の耳が驢馬のように長いのを恥じて深い帽子で耳を隠す王様。床屋だけがその秘密を知っている。どうしても黙っていられずに、葦に向かってささやく。それを聞いた葦の声は葉音となって風に乗りさまざまな尾ひれをつけて周知の事実として拡散される。悪意がないつもりでも悪口や批判は瞬く間に伝播しもみ消せはしない。まるで今日のネット上のうっかり発言による揉め事を予見しているような話しだ。

サン=サーンスは批判することで自分が長じているような態度で振舞う評論家とこの寓話が頭の中で結びついたのではないだろうか。自分が関与できない伝聞への発言は慎もう。思うことは仕方ないにしても、いい広めることで誰も得はしない。《Camille Saint-Saëns(1835.10.9. – 1921.12.16):Personnages à longues oreilles, Le carnaval des animaux no. 8》







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