mixiユーザー(id:16255101)

2015年11月21日21:13

163 view

コックス:短刀で留められた時間

冒頭から蒸気機関車が力強く走る様子が音楽に窺える。鐘の音は何を表すのだろう。後ろに取り残された遮断機の警告音のようにも思える。時間の門が閉ざされる前に暖炉から突き抜けようと渾身の力で突き進んだが見えない時間の罠に捕らわれて宙吊りにされてしまったようだ。音楽は一旦停止し、無調的な静の世界に漂う感覚に捕らわれる。崖から命がけで飛び込んだ衝撃と海の深みで知る隔絶された別世界に漂う感覚にも似ているかもしれない。暖炉の内と外では別の時間域が広がっている。一方から見れば他方は止まって見える。相対的な違いで体感時間に違いはない。暖炉の上の絵は一面濃い灰色で何が描かれているか分からない。絵の中に閉じ込められた「動」が固着されてしまったので通常時間域では見えないのだろう。大理石の暖炉は納骨堂のようにも見える。飛び出した機関車が現実のものであれば暖炉が実は神殿ほどの大きさであってもおかしくない。墓でも神殿でも、日常とは違う時間域に属する共通点がある。ふたつの時間域を自由は行き来できるはずなのに、見えない力で引きとめられることもあるのかもしれない。同系色で表現された家庭内の幻想がとても面白い。絵の日本語のタイトルは複数あり、定着していないようだ。マグリットは1898年11月 21日ベルギー西部、フランスとの国境に近い街に誕生した画家。マグリット自身はその作品を目に見える思考と評している。《Alan Cox:La durée poignardée, Six orchestral images after Magritte no. 2》




4 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する