深々と更けてゆく夜の時を数えるように鳴らされるピアノの連打音。ピアノは基本的にこのパターンを繰り返している。ヴァイオリンの音色は暖かい。夜の暗さを恐れずに柔らかな光を放っている。たくさんの愛を受けているが故にか細い音色は決して挫けない強さを秘めている。静かな夜に訪れる眠気に負けるように消えていく。単純な旋律はドビュッシーの余光の中で生まれたような味わいを感じる。和声の彩が際立っている。女性の感性でなければ書けないだろう。ブーランジェのピアノとヴァイオリンのための小品は3曲あるがセットにはなっていない。この曲は最初からフルートでの演奏も考えて作られている。また後日オーケストラ伴奏版も作られている。ブーランジェは1918年3月15日に24歳で亡くなった。最後の作品「ピエ・イェズ」の口伝筆記を終えた直後の急逝だったようだ。作品は多くはないが未だに彼女の才能を称える人は多いようだ。世界的に著名なナディア・ブーランジェは実の姉になる。《Lili Boulanger:Nocturne, pour flûte ou violon et piano ou orchestre》
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