第1曲「ブラウニー」、同名のお菓子ではない。小さな妖精で夜中に民家を訪ねて主婦のやり残した台所の片付けや掃除など、どんな事でもせっせとこなす妖精で容姿に関してはさまざまな異説が伝えられているが名前の由来ともなっている茶色い小人のようだ。第2曲「胸赤コマドリ」、可愛い鳥が飛びまわっている様子だろうか。胸赤というのは特定の種類を表しているわけではない。アメリカの一般的なコマドリは胸がオレンジ色をしている。第3曲「夕暮」、詩情のある穏やかな情景を奏でているようだ。4曲「キリギリス」、英語でKaty-didと言う。鳴き声の擬音がそのまま虫の名称とされたようだ。一匹がKaty-didと鳴くと相手はKaty-didn’tと答え、それが枯葉の時期まで延々と続く。ピアノが騒々しい対話「したよね?してないよ」を上手に表している。第5曲「妖精タランチュラ」、とても蜘蛛とは思えない優雅な曲。転調して繰り返される。妖精と訳されている元の表現はエルフ。若く美しいイメージを抱く人が多いが、見かけはともかく人間を害する存在だ。第6曲「おやすみ」、赤ちゃんのための子守歌ではない。「もう十分に遊んで眠いでしょう?お片づけして早く寝なさい」そんな声が聞こえそうだ。以上6曲からなる連弾ピアノ小品集。おそらく子供は飽きてしまいそうだが、子供のために書かれた曲だろう。音楽的に季節は感じないが絵本を眺めていてアイディアが閃いたような気もする。アメリカ生まれの女性で作曲家として最初に成功を収めたと評されるエイミー・ビーチは1944年12月27日に77歳で亡くなった。外科医の夫にピアニストとしての演奏活動は禁じられたが作曲に関してはその才能を認め、むしろ意欲的に取り組むように進言したと言われている。夫の死後にピアニストとして復帰した。大作も少しあるがピアノ曲や歌曲はかなりたくさん残している。≪Amy Beach:Summer dream, op.47, for four hands≫
ログインしてコメントを確認・投稿する