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2014年12月17日21:29

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諸井誠:ヴァイオリンとオーケストラのための協奏組曲

第1曲「前奏曲」、金属の棒を叩く拍子木のような響きに弦楽器が螺旋状に絡んでくる。何かが始まると予測させる導入。ヴァイオリンが独奏で力強く12音的旋律で舞い上がる。第2曲「変奏曲」、チェロのピチカートに時折撥を叩きつけるような音が印象的だ。主題がヴァイオリンで提示され勢いよく変奏を繰り広げていく。殆ど打楽器とヴァイオリン独奏から成るリズミカルな音楽は結構楽しめる。第3曲「カデンツァ」、ある意味でもっとも日本の風味から離れたヴァイオリンのモノローグ。張りつめた音に透明な魅力が漂う。第4曲「間奏曲」、大地から立ち上る瘴気。それを避けるように一歩一歩足場を確認しながら踏み込んでいくような荒涼とした様子が管楽器の芳香とヴァイオリンの慰めを通して描かれる。得体のしれない美しさ。第5曲「フィナーレ」、ティンパニーの活躍が目立つ。ヴァイオリンは堂々と旋律を紡ぎ出して行く。無調性の音楽だが、あえて言えばバルトーク風なところも感じられる。カデンツァを挟み賑やかに展開し、元気いっぱいに曲を閉じる。諸井誠の若い頃、と言っても30代初めの作品で、12音技法を用いて日本の情緒を演出しようと試みたような感じを受ける。後年の積極的に和楽器を用いた「新しい日本の音楽」とはかなり持ち味の違う若さの意気込みがある。その意味では貴重な作品だろう。諸井誠は1930年12月17日に東京に生まれた作曲家。個人的には音楽作品以上に著作を通して教わった事が多い。本名をもじってマコトニオ・モンロイ名義で音楽雑誌に評論を載せていた事でも知られている。≪Moroi Makoto:Suite concertante for violin and orchestra≫




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