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2024年04月05日09:01

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★洋ちゃんの読観聴 No. 1664

★洋ちゃんの読観聴 No. 1664       

映画 「オッペンハイマー」         

今年のアカデミー賞の作品賞などを受賞した
作品。原爆を開発したロバート・オッペンハイマーの
物語だ。

優秀な物理学者のオッペンハイマーは、米国政府に
請われ「マンハッタン計画」のリーダーとして
原爆の開発を任される。ナチスを倒すための期限が
あるプロジェクトであったが、なんとか実験に
成功した。だが、既にナチスは敗戦し、ターゲットは
日本になる。そして原爆は広島と長崎に投下され、
日本は敗北し終戦となる。オッペンハイマーは時の人
となり、国中から英雄扱いされる。

第二次世界大戦から9年後、彼は尋問の場に
立たされる。当時は赤狩りの時代だが、オッペンハイマーに
共産党員ではないか、ソ連のスパイではないかとの
嫌疑がかかる。彼を知る数々の友人は仕事を共に
した人たちが証言する。この嫌疑のバックには彼を
貶めたい原子力委員会の有力メンバーがいた。

オッペンハイマー自身は自分を科学者と捉えており、
愛国者なので原爆の開発には関わるものの、その
使用は政権の判断であるとトルーマン大統領にも
説得されていた。とは言え、原爆の威力を誰よりも
知るのがオッペンハイマーである。実際、広島と
長崎の死者数などの被害は彼の想定通りだった。

原爆投下後のオッペンハイマーは、彼が開発した
原爆や水爆の開発推進に反対する。他国が必ずや
開発に着手し開発競争になると彼は予想していたが、
実際その通りに世界は動く。

一人の科学者の、研究と研究成果の利用との狭間に
悩む姿を主演俳優は見事に演じていた、と思う。

日本の一部の反原爆団体は、この映画が広島と
長崎の被害の有様を描いていないとして抗議して
いると聞く。しかし、僕は、本作品は原爆の開発と
使用の是非を問うものではないと思う。作品の
テーマは先述した通り科学者の生きざまであり、
それを観客に問うているのであろう。



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