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2018年03月16日11:01

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映画「ローズの秘密の頁」

1980年代の初め、アイルランドにある精神病院が取り壊されることになり、入院患者たちが転院のため再診を受ける。
その中のひとり、ローズ(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)は40年もの間入院している老女。
病室の荷物を処分されそうになり、彼女の診察にあたるグリーン医師(エリック・バナ)が、必死の思いのローズの聖書を、ごみ収集車から取り戻す。

ローズは生んだ赤ん坊を殺したとされ、長年収容されていたが、彼女は
「赤ん坊を殺してなどいない!」とグリーンに訴える。
聖書を開くと、そこには余白にびっしりと、ローズの数十年にわたる「日記」がつづられていた。
グリーンはそれを読み進めるうち、彼女の激動の人生を知ることになる。

若き日のローズ(ルーニー・マーラ)がベルファストからアイルランドの故郷に帰ってくる。
美しいローズは田舎町では、男たちの注目の的。
だが彼女はイギリス空軍の戦闘機パイロットのマイケル(ジャック・レイナー)と恋仲に。
ふたりともプロテスタントだったため、町のカトリックの男たちからはイギリスに協力する裏切り者だ、と糾弾される。
そしてなぜか、地元では有力者のゴーント神父(テオ・ジェームズ)はローズに接近。
ローズを巡って男たちが諍いを起こすため、ローズが同居していた叔母は思い余って、彼女をひとり、林の中の一軒家に住まわせる。

たまたま町はずれに不時着した戦闘機から、脱出したマイケルをローズは家にかくまった。
愛し合う二人はプロテスタントの教会で二人だけの結婚式を挙げるが、家に戻っているときに、カトリックの男たちに襲撃され、マイケルは殺されてしまった。

ゴーント神父の差し金で、異常者扱いされたローズは病院に収容されてしまう。
だが、彼女はマイケルの子を宿していた。
しかし、この病院に居れば、生まれた子供は自分で育てられない。
脱走して海に逃げたローズは入江の奥まで泳ぎ、そこで男の子を出産するのだが・・

「父の祈りを」や「マイ・レフト・フット」で知られるジム・シェリダン監督作品。
それで、てっきり、イギリスに迫害されるアイルランドの人間の話かと思ったら、まったく逆だった。
むしろカトリック教会が、プロテスタントの若いカップルを追い詰めてしまう物語。
数年前に見た「あなたを抱きしめる日まで」をどこか思わせるストーリー展開である。
ローズが生んだ赤ん坊は、本当はどうなったのか、それは最後に明かされるのだが・・
IRAと英国軍との紛争を扱った映画は、IRAやカトリックのアイルランド市民に同情的なものが多かっただけに意外な感が。
プロテスタントとカトリックでの諍いは、もちろん両者とも被害が及ぶのは当然ではあるが。
美しい女性って、それだけで罪なんでしょうか・・??
ルーニー・マーラは「キャロル」での出演が記憶に新しいが、あの映画と同様、ベレー帽が似合っています。
そして聖職者の姿をしているだけに、ゴーント神父がとっても不気味。
エリック・バナはなんといっても、スピルバーグ監督の「ミュンヘン」の主役のテロリスト役が印象深いが、今回は温厚でローズの心をときほぐす医師役です。
(3月9日、テアトル梅田)
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