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2020年12月19日16:34

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1433

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1433        

ディーリア・オーエンズ 「ザリガニの鳴くところ」

アメリカのノースカロライナ州の田舎の町で、
家族が崩壊したため小学校に上がる年齢から
大人になるまで一人で生き抜いた少女の物語。
母親が、兄たちが、そして父親も家を出ていき
一人になった少女は自給自足に近い生活を始める。
海辺が近く魚や貝をとり、それを近くの雑貨屋に
売り、必要な燃料や食料を手に入れる生活だ。

コミュニケーションをとっているのは雑貨屋の
黒人夫婦だけだったのだが、かつての兄の友人が
現れ、少女に読み書きや算数を教える・・・。

一人の孤独な少女の成長物語なのだが、淡い
恋もあり裏切りもある。町の人たちから迫害を
受けるので、人の差別の問題も考えさせられる。
小さな町に殺人事件が起こり、法廷劇も展開
される。いろいろなエレメントをもった多層的な
小説だ。

そして印象的なのは湿地、海や森、さらに
昆虫や野鳥の生態についての描写が素晴らしい。
著者の本業は野生動物学者というから、納得する。

人類は動物より高等な生物なのだろうか? 
そんなことも考えさせられる。

万人に薦めたい秀作である。

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