★洋ちゃんの読観聴 No. 1391
CD ロン・マイルス「I Am A Man」
久しぶりにCDを買った。2016年の録音で発売は
2017年。ジャズでクインテットの編成だ。
最近のジャズはどうなっているかと言うと、
地域的には注目はイスラエル、そしてアメリカ
西海岸。演奏スタイルは、簡単に言えば、ヒップホップや
カリブ海のリズムや民族音楽など、いろいろ
混ざっている感じ。
ロン・マイルスはアメリカのコロラド州に拠点を
置くという意味では異質かもしれない。しかし、
小さな地域における音楽家の世界は狭く、それゆえ
いろいろな種類の音楽に接することができたのでは
ないか、と解説ノートに書かれている。
本作品ではマイルスはコルネットを吹いている。
トランペットの前身の楽器で今日それほど多くの
トランペット奏者が吹く楽器ではない。しかし、
本作品の演奏内容からするとコルネットの選択は
正しいという気がする。
その内容だが、静寂を感じる。音を出す音楽で
静寂とは矛盾するようだが、とても静かな演奏
なのだ。そこに、ふくやかで柔らかいコルネットが
マッチする。別の言い方をすると、広い宇宙の
中で一人乗りの宇宙船に乗っているような気分が
僕はした。
実は作曲、編曲ともに凝ったものなのだが、あまり
そうしたことを感じさせない。と言うのは、マイルスが
奏でるメロディーがときに昔のジャズのフレーズが
あったりして、ノスタルジーを感じさせるからだろう。
なんとなく午後のコーヒータイムにBGMとして
聴いても悪くないのだが、そのつもりで聞いていると、
思わず聞き入ってしまう。演奏内容の深みのせい
だろう。
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