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2022年07月09日08:27

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ストロング小林さん追悼(183)

75年12月11日、日本プロレス界始まって以来初と言っていい、互角のパワーバランスを持った団体による本格的な同日同時刻開催の大規模な興行戦争が展開され、歴史に残る1日となりました。

日本プロレス界における興行戦争と言えば、この時より7年11か月前、の68年1月3日、国際プロレスがTBS体制になって初の「オープニング・ワールド・シリーズ」開幕戦の日大講堂大会当日に日本プロレスが日大講堂から隅田川を越えてすぐの場所にある蔵前国技館大会をぶつけてきた、いわゆる「隅田川決戦」が代表的でしたが、

日本プロレスの蔵前国技館大会は開場前から当日券を求めて長蛇の列が出来、観衆は12,000人(超満員)発表。日本テレビが当日午後5時30分より正月特番にてディレイ中継。家庭用ビデオデッキが普及していない時代の話ですので、国際プロレスを観に行こうとする人達の出鼻をくじくことに成功しました。

国際プロレスは午後5時30分試合開始、メインのルー・テーズvsグレート草津のTWWA世界ヘビー級王座戦は午後7時からの生中継に合わせる為に第3試合に組まれました。いわゆる「逆取り」です。実際は日本プロレスは午後1時30分試合開始。

なので実際にはモロ被りではなく、時間差興行戦争でした。他にも日本プロレス時代は国際プロレスとの都内大会場での興行戦争は何度もありますが、実際は日本プロレスと国際プロレスの力の差があり過ぎて全て日本プロレスの圧勝でした。

故に互角の同日同時刻興行のバッティングというのは日本プロレス界初となりました。

全日本プロレス、国際プロレス、日本プロレス(団体は興行活動停止しており、名前だけ)の豪華メンバーによる物量攻勢に対し、新日本プロレス蔵前国技館大会は猪木にビル・ロビンソンが挑戦するNWF世界ヘビー級選手権試合一本で勝負。

観客は掛け値なしの12,000人(超満員)発表を動員。

夢の初対決は当初、20世紀最大のレスラー「鉄人」ルー・テーズ両者の師匠にあたる「神様」カール・ゴッチ、が名乗りを上げましたが、最終的にはロサンゼルス・オリンピック・オーデトリアムの名レフェリー、レッドシューズ・ドゥーガンに決定、テーズとゴッチは「特別立会人」として来日しました。

ゴッチはこの試合の勝者に自ら保持する「実力世界一」のベルトを贈呈するとベルトを持参。ストロングスタイルの役者が勢ぞろいしました。

前半はグラウンドのじっくりとした攻防、ロビンソンのワンハンド・バックブリーカーが早い時間帯から出ましたが決まらず猪木は逆エビ固めに拘り、これを掛けさすまいと堪え、逆エビ狙いで意地になった猪木の一瞬のスキをついて電光石火の逆さ押さえ込み、42分53秒、カウント3が入りました。

1本目が終わった段階で残された時間は17分7秒、焦る猪木は弓矢固め(ボーアンドアロー・バックブリーカー)、バックドロップと大技を出しますがフォールは奪えず、ロビンソンもダブルアーム・スープレックスを2発、ジャーマン・スープレックス、ツームストン・パイルドライバーなどを連発しました。ロビンソンは50分経過あたりから猪木の攻めをノラリクラリとかわし、逃げ切り狙い。

猪木は10月9日、蔵前国技館でのテーズ戦で、テーズをバックドロップで投げているところから、今回も試合前にロビンソンを「スープレックスで投げる」と公言。しかし、55分過ぎに決めたダブルアーム・スープレックスはロビンソンに腰を落として防御され、ただ後方に倒れただけに留まり、ダメージを与えるに至らず。

ロープに飛ばしてのロビンソンのエルボーバットが空を切り、猪木は卍固め、約1分間近く耐えたロビンソンでしたがついにギブアップ、16分19秒、猪木が2本目を返して1−1。この時残り時間48秒。

決勝の3本目のゴングが鳴り、猪木はドロップキックでラッシュをかけましたがあっという間に時間切れ引き分け。猪木が苦戦しながらも2度目の防衛に成功しましたが紛れもなく歴史に残る名勝負であったことは間違いないです。

セミファイナルは坂口征二と星野勘太郎がタッグを組んでグレッグ・バレンタイン&リッキー・ハンター組と45分1本勝負で対戦、10分57秒、星野が回転エビ固めでハンターをフォール、坂口&星野組が勝利を飾りました。

ストロング小林はセミ前に出場、イワン・カラマゾフとシングルマッチ30分1本勝負で対戦、6分43秒に逆エビ固めでギブアップ勝ちし、年度最終戦は白星で終える琴が出来ましまた。

ベアキャット・ライトは永源遙を5分13秒に体固めに降しました。

Bライト、カラマゾフは最後の来日、ロビンソン、ミスターX(ガイ・ミッチェル)、フィデル&ラウルのカステロ・ブラザーズらは紆余曲折を経て新日本プロレスから全日本プロレスのリングに参戦することになります。

この日のセミファイナル以下の試合はメインイベントの猪木vsロビンソンを引き立たせる為にあっさり終わったものが多かった気がします。これは重要な役割かと思います。
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