★洋ちゃんの読観聴　No. 1393

★洋ちゃんの読観聴　No. 1393

CD　ブランフォード・マルサリス　
「The Secret Between the Shadow and the Soul」　

ブランフォード・マルサリスBranford Marsalisの
最新作品。カルテット編成でブランフォードの
テナー＆ソプラノ・サックス、Joey Calderazzoの
ピアノ、Eric Revisのベース、 Justin Faulknerの
ドラムス。

７曲収録されているが、一つ一つの曲想がすべて
異なる。いきなりフリージャズで始まり、次が
比較的オーソドックスなバラード。１曲目と
２曲目の落差に驚かされる。

３曲目は一転、変拍子の曲。４曲目は、まるで
1950年代のオールデーズを感じさせられる。
５曲目は、なんだかホラー映画のような雰囲気。
６曲目をはさんで最後はキース・ジャレットの
カーニバル風の曲で締めくくる。

CDについている解説によると、ピアノ・トリオに
サックスが加わったカルテットの編成は最初が
1943年のコールマン・ホーキンスとレスター・
ヤングによるものだそうだ。それ以来モダン・
ジャズにおいて数多くのサックスがリーダーの
カルテット演奏が行われてきた。

本作品は、その伝統のカルテット形式の一つの
極みと言うと、ほめすぎだろうか。これまでの
カルテットはサックスのリーダーにバックの
３人が追従するというものだった。だが、この
カルテットは４者対等という感じがする。単に
息の合ったでは済まされないくらい、それぞれの
アドリブの行方を感じ取れなければ的確な
サポートはできない。この完成度に舌を巻く
しかない。