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2018年10月24日08:15

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1302

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1302

マーク・グリーニー 「暗殺者の潜入」                 

元CIAの暗殺請負人の“グレイマン”ことコートランド・
ジェントリーのシリーズ最新作。

今回はシリアが舞台だ。そう、シリアと言えば、内戦が
長引いていて、強権の大統領の政府、それを助ける
ロシアやイラン、反政府のさまざまな勢力、反政府派を
援助するアメリカ、そしてISIS(イスラム・ステート)が
入り乱れている。そんな中にグレイマンは乗り込む
のだから期待に胸が膨らむのは当然だ。

本名こそ変えているが、なにせ実在のシリアの
大統領、その夫人が登場するのだから、興味は
尽きない。

ストーリーはと言うと、パリでグレイマンが穏健な自由
シリア亡命連合に雇われる。あるファッションモデルを
誘拐せよというのが契約だ。一見、簡単そうな依頼と
思われたが、実は大変な使命ということが分かる。
この美しいモデルはシリア大統領の愛人なのだ。

反政府組織としては大統領の愛人を誘拐して
反政府運動を有利に運ぼうという目論見なのだ。

想定外のこともあったものの、グレイマンはモデルの
誘拐に成功し、依頼組織のリーダーに引き渡す。

ところが、大統領と愛人の間には赤ん坊がいると
彼女自身が語る。大統領と夫人の間には2人の
娘がいるが、男の子はいない。息子は愛人の子
だけであり、つまり息子は将来の政権後継者なのだ。

子どもを自分のもとにおきたいと言うモデルの声と、
グレイマンらしくない反シリア勢力に対する共感も
芽生えて、グレイマンは愛人の子を救出すべくシリアに
飛ぶ。

シリアの大統領と夫人との関係は微妙である。
大統領夫人は、大統領が愛人を持っていることを
ひそかに知っている。夫人は、彼女の愛人でもある側近の
工作員を動かし、大統領愛人のモデルを暗殺しようとする。
ややこしいことには、大統領のほうも配下の工作員を
使ってモデルを取り戻そうとする。

さらに反政府団に協力する元フランス諜報員、
大統領夫人の工作員に雇われるパリ警察の警部
など、ひとつの陣営の中にあっても一枚岩でない
人間が葛藤しながら行動していく・・・。

いつも通り、銃器の知識に長けた著者による
戦闘シーンは臨場感たっぷりだ。特に後半で
パルミラという遺跡で有名な町が登場するが、
その瓦礫と化した町でのシーンがリアルだ。

このグレイマン・シリーズと似たシリーズにリー・
チャイルドによる元憲兵のリューチャー・シリーズが
ある。どちらも一匹狼的な存在でアクション満載
である。甲乙つけがたいが、どちらかと聞かれれば、
外れがないグレイマン・シリーズを僕は推す。
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