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2018年06月14日12:12

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1274

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1274              

ドン・ウィンズロウ 「ダ・フォース」                   

今アメリカで最も乗りに乗っている作家の一人、ドン・
ウィンズロウの最新作。

前作「ザ・カルテル」(傑作!)は中米の麻薬モノの
作品だったが、今回はニューヨークの警察モノ。

主人公は辣腕刑事デニー・マローン。ニューヨーク市警の
マンハッタン・ノース特捜部(通称「ダ・フォース」と言われる)
で最も実績を上げてきた男。

彼にはフィルとモンティという同僚がいて、家族以上の
深い関係を築いてきた。

だが、彼らは“クリーンな”警察官ではない。捜査のかたわら、
悪人から現金や麻薬をかっさらい、私有財産をためこんで
きている。

彼らが注力するのは、犯罪組織の撲滅ではない。
麻薬や銃の売買を行うマフィアやディーラーらの組織の
バランスを維持し、犯罪と無関係な市民の命を守る
ことだ。

汚職にまみれているのは警察だけではない。弁護士、
検察、市の幹部、さらにFBIまでもが私利私欲、
保身に走っている。

マローンは最初は小さな悪に手を染め、それが
エスカレートし、組織の大物らとの関係を断ち切れなく
なってくる。そしてFBIから“ねずみ”となって、警察
内部の犯罪の立証に協力するよう迫られる。

マローン(アイルランド系白人)は妻と別居しているが、
黒人の看護師の恋人がいて、彼女との人種やドラッグに
ついての会話も面白い。 

警察官、麻薬ディーラーらの会話が大変リアルで、
ページを繰る手が止まらない。文庫本上・下で
1,000ページ近いが、読み終えるのに時間は
あまりかからなかった。

今年上半期に僕が読んだ本の中でベストだと
思う。

解説によれば、スティーヴン・キングやリー・
チャイルドが本作品を絶賛しているとのことだが、
うなづける。

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