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2017年12月28日09:31

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読書会に参加してみた(6回目)

月イチで参加している読書会、今回のお題は「水族館ガール」。

実は、「ラノベかぁ・・出席は今回パスしようかなあ」と思っていたのだが、まあせっかくだからと買って来て読み始めた。

以前、大学時代の友人が「みんなライトノベルというとバカにするけど、あの業界は競争が激しいから物語のレベルはけっこう高くて面白いよ。一度読んでみたら」と言ってたのを思い出したのだ。

「市役所勤務のOLから水族館イルカ課に出向!?
――市役所に務めて三年、突然水族館「アクアパーク」への出向を命じられた由香。
イルカ課に配属になるが、そこには人間とのコミュニケーションは
苦手な男・梶とイタズラ好きのバンドウイルカがいた。
数々の失敗や挫折を繰り返しながらも、へこたれず、動物たちと格闘する
女子飼育員の姿を描く笑いと感動の青春お仕事ノベル。
ペンギン、ラッコら水族館の人気者たちも多数登場、水族館の舞台裏がわかる!」
(文庫カバーのあらすじ紹介より)
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水族館に行くのはわたしも好きだ。
子どもも大人も楽しめるし、イルカのショーは目玉イベント(本書中に登場する水族館ではショーではなく、「イルカライブ」という名称を使っている)。
そういった“楽しい水族館”の内部の仕事、イルカの訓練のステップ、海の生物の生態などをよく調べているし、楽しく読みながら勉強になった。
 自然をあるがまま見せようとすれば、海獣たちを生かすため、餌にビタミン剤を混ぜてやったり、人工的にならざるを得ない矛盾など、水族館の職員がかかえる問題などもわかりやすく書かれていた。

年末なので出席者が少ないのでは?と危惧したものの10人が参加。
みんなの感想としては、

<参加者で一番若いKくん>
「職業小説」の醍醐味がある。水族館の裏側を見る機会がないので、イメージと現実のギャップ、娯楽か、学術展示かという職員のジレンマなどを知ることができた。
 他の仕事にしても「お客様のことを考えつつも、利益は出さなければならない」という葛藤がどこにでもある。そういう共感は得やすい。
 ただ、主人公・由香と先輩の梶との恋愛話は入れなくてもよかったのでは。由香の少々エロチックな夢のエピソードは男性目線の妄想、という気がする。

<書評集を自費出版しているというIさん>
実はこれを読んで、大阪・海遊館に行ってきた。でもカップルとかが多く、オッサン一人の観覧者はいなかった(笑)。現在、海遊館は大阪府から近鉄グループに経営が移行している。
なぜ、水族館がデートスポットになるのか考えてみた。非日常空間で少し館内は暗く、手をつなげる、ということがあるからでは?
ついでに来場者や海遊館のスタッフに「『水族館ガール』読みましたか?」と聞いて回ったが、だれも読んでいなかった。

<Mさん>
市役所の内勤職員が出向して、イルカの調教をやるとか、現実にあるのかしら?
主人公の女性がちょっとおバカすぎる。また、夢のシーンが多すぎ。
夢の中で妄想するとかより、ほかの手法で、先輩に気持ちが引かれていくところを書いてほしかった。

<Sさん>
シリーズ化されている小説なので、続きを読みたいなと思った。
イルカが死ぬシーンは泣きそうになった。動物はかわいく思えたら感情移入してしまう。
前回の読書会でIさんが「物語を読むときに感情移入は禁物」とおっしゃったけれど、感情移入してこその感動だと思う。

<Oさん・男性>
水族館とか魚類に興味がある人にはマニアックで面白く、フェチな話題だけど、そうでなければ面白くないのでは。
内容は、会話が多いので読みやすい。
複雑な内容でも読みやすくするのが文章力だと思う。

<Oさん・女性>
わたしなど、イルカとか大好きだから、主人公も「出向してイルカの調教だ!」と言われたらもっと喜んでいいのに、と思った。わたしだったら大喜びで行きますけど(笑)。
水族館生まれのイルカと、海で捕獲したイルカの性格の違いなど、面白く書き分けている。

<Hさん>
登場するイルカがかわいかったです。

<「水族館ガール」推薦者のYさん>
図書館の司書の仕事をしているんですけれど、若い人は本当に本を読んでいない。
若い世代と好きな本をわかちあいたい、と常日頃思っていますが、これなら若い人にも受け入れられるのではないかと。
でもIさんから海遊館のスタッフがだれも読んでいなかった、というのはショックですね。
海遊館がモデルの水族館も出てくるのに。

水族館の仕事や生物の生態だけを著述しようとすれば新書の体裁になると思うが、こういう物語にして知らせる方法もある。
由香はおバカキャラだけど、彼女が質問する、説明してもらう、というスタイルだから物語に入りやすい。
みなさん、イルカたちがとてもかわいかった、ということをおっしゃってましたが、ちなみに2巻目以降は「イルカはなぜかわいく見えるのか?」ということが書かれていますよ。

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ある意味、楽しく読めてためになる、男女、年齢問わずに面白く読める、という本で、それが「ラノベ」のよさかもしれませんね。
ちなみにこれはドラマ化されていて、わたしは見なかったのですが主人公・由香は松岡茉優、先輩の梶は桐谷健太だったそうです。
(12月20日、丸福珈琲千日前店にて)
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