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2014年04月12日09:28

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坂本龍一コンサート

昨日、仕事の後池袋の「東京芸術劇場」で坂本龍一と東京フィルハーモニー交響楽団の共演を聴きにいって来た。

佐村河内事件(?)があったが、たぶん現代の作曲家の中で、一般人にもいちばん知名度が高いのって、やっぱり坂本教授(YMO時代からこの愛称で呼ばれますよね)ではなかろうか。

オーケストラをバックに、坂本教授の作品の数々をときには指揮し、ときにはピアノ演奏。

第1部は、わたしにはなじみのない、聴いたことのない曲ばかりだったけど、2部からは皆もよく知っている映画音楽もまじえて演奏。

最近では「反原発」の活動も多いけど、坂本教授、曲の合間にはさむトークはちょっとぼそぼそとしゃべる感じ。なんだかオーケストラを前にして、照れ隠しにしゃべっているような。

アイスランドでもツアーをやり、そのときロシアからわざわざきた女性二人から「この曲が好きなんです」と言われたと紹介して演奏した「anger(怒り)」。
不協和音のいかにも現代音楽っぽい感じだが、管楽器の織りなす音はシュプレヒコールのように聴こえてくる。

ベルトリッチ監督の「リトル・ブッダ」の演奏の前に、その制作エピソードというか、愚痴をひとしきり。
「監督から“これ以上ない悲しい曲を書け”って言われてね。もう、映画監督ってほんとうに酷い、わがままなもんですよ。何曲も書いてダメだ、って言われて、3曲目は“悲しすぎる、もっと希望を”なんて言うからね、私もキレて。その曲はあとで自分のアルバムに入れましたよ。『スイート リベンジ』、甘い復讐ってタイトル付けて」。

映画音楽は「一命」、ブライアン・デ・パルマ監督の「ファム・ファタール」なども演奏。
「映画音楽ってねえ、いくら良くっても、その映画自体がヒットしないと、悲しいことに全然注目されないんだよねえ」。とまたしてもぼやく。

そういう意味では、観衆がよく知っている曲の演奏だと会場の盛り上がりも全然違う。

「ラストエンペラー」、東北支援プロジェクトの演奏会で、地元の中高生とも共演したという「八重の桜」。

ラストは、ささやくような坂本教授のピアノで始まる「戦場のメリークリスマス」。
これは圧巻だった。
映画の公開は1983年。
封切り日に西洋史研究室の友人と見に行った。
入り口で、たぶん初日観覧サービスだったのだろう、坂本龍一が当時出演していた、ワインのCMのポスター(坂本教授がワインを手にした妖艶な姿)をもらった。それは長く、6畳間の古いわたしの下宿に張られていた。
映画は結局劇場に3回見に行き、サントラのカセットテープを友人にダビングしてもらった。
あれから31年もたつ。
曲を聴きながらいろんな思いがこみ上げてくる。
監督の大島渚氏も、昨年、この世を去った。
オリジナルのサントラとは若干アレンジが違うのも、生演奏ならでは。
この曲を坂本教授は30歳そこそこで書いてたんだなあ。

演奏会が終わって5階のコンサートホールからエスカレーターを降りてくると、劇場入り口のガラス張りの壁面に、夜の池袋の街のネオンや車のテールランプが映り、まるでステンドグラスのよう。ひょっとしてその効果も考えての設計なんだろうか。

オーケストラ用の編曲はむずかしいかもしれませんが、次は「君に、胸キュン」とかもやってもらえたらうれしいですね。
8 10

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