■蜘蛛の糸 ●ロシアの詩人、エセーニンの詩にこんなのがある。 さようなら 友よ さようなら わが友、君はわが胸にある 別離のさだめ――それがあるからには 行き遭う日とてまたあろうではないか お別れだ! 手をさし出さず ひ
■何を失ったのか ●最後にパチンコをしたのは、いつだろうか。 もう20年くらい前のことだろうか。 あれは、正月のことだったと思う。 家族そろって長田神社にお参りした。そのとき、板宿の商店街を 通り、パチンコ屋のチーン・ジャラ・ジャラ
■近頃、見かけない ●あれは、いつ頃までだったのだろう。 ちょっと仕事で遅くなって、電車に乗ると客はまばらで、疲れた 体に、吊革の揺れるのが侘しく目に留まる。 向かい合った前の座席に、母親と小学前の子供が並んで座っている。 母親は、