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2014年01月21日20:16
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■順不同(11) / 「第６章」再読 (4)
●2014年01月21日 (火) 曇り
▼「第６章」再読も、第４回となった。再読の目的は、怒りや妬みや
恨みといった感情に結び付いてゆく「ルサンチマン」、あるいは、
「不条理」への対応について、これらをどう処理すべきか、ということを
めぐる問題だった。
里中哲彦(著)『まともな男になりたい』(ちくま新書592)の第６章
「平衡感覚を生きる」にとりあげられた、福田恆存の「私の幸福論」への
私の『なってから書いてほしかった』という「不遜」な物言い、そして、
あえて「不遜」であることによって、かろうじて「不条理」を生き抜くことが
できる、といったこともあるのではないか、という「切羽詰まった状況」に
ついての発議である。
問題は、その考えが、結果、「自分を腐らせ、自分をつぶしてしまう」ことに
なりはしないか。そして、もし、ならないようにする回路があるとすれば、
これを「どう考えたらいいのか」という、自己点検にある。
▼キリストは十字架にかけられ、苦しみにさらされ、不幸に陥ったとき、
「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」(私の神よ、私の神よ、どうして私を
見捨てたのか)と、叫ばずにはいられなかった。
新約マタイ伝、第２７章４６節には、このようにキリストの「神を呪う」
言葉を書きとどめている。
キリスト教は、この「ルサンチマン」を昇華するための、ひとつの「考え」で
ある。
キリスト教によらず、「切羽詰まった状況」に追われ、追い込まれた者にとっては、
この「ルサンチマン」の処理が、抜き差しならぬ問題として浮上してきて、
この問題への対処として、ある「考え」をもつに至る。
▼吉本隆明『ほんとうの考え・うその考え』は、�ゝ楝�賢治が『銀河鉄道の夜』で
展開した、法華経の「ほんとう」の意味をめぐる「考え方」と、�▲轡癲璽漫�
ヴェイユにとっての「神」とは何であったのか、その彼女の「考え方」と、
�５賁鵝屮茱峙�」に見える、「神は潔白な者も、罪ある者も、みな等しなみに
打ち砕いてしまう。災禍がやってきて、突然、死をもたらしても、神は潔白な者の
受難を笑っている」というヨブの呪詛(『ヨブ記』第９章第２２〜２３節)、
この３者の「考え方」について、「ほんとうの考え」か「うその考え」かを
考察した「本」である。
キリスト教の、この問題についての論考は、古くは、田川建三『立ちつくす思想』で
読んだ。
吉本の「本」がすぐれているのは、「ルサンチマン」に関する論評や、
「ルサンチマン」の昇華の方法のハウ・ツーでなく、論評すべき問題点と
ハウ・ツーで示された方法について、それらの中にある「考え方」について
「うその考え」「ほんとうの考え」という、誰にでもできる・誰でも考える
そのような「考え方」と、そのような「考え」について述べていることにある。
▼「普遍宗教」という言葉がある。
それを最初に知ったのは、阿満利麿『法然の衝撃』という「本」だった。
いま、『「第６章」再読』を書きながら、自分についてのこの問題のこれから
を思う。
吉本は、どこかで「日本人にとって<家族>というのは<宗教>にかわり得るかも
しれない」と推量していたような気がするが、この先、私の<家族>に何があり、
どうなるか、それは、なるようにしかならないことだと思い定めている。
▼最後に、蛇足であるが、里中哲彦(著)『まともな男になりたい』の
第６章の最初の問題提起は、人間の「性善・性悪」の説についての考察であった。
著者・里中さんは「性弱説」なるものを対置していた。
・http://
これに関して、きのう真夜中、おもしろい番組をやっていた。
・ＮＨＫのオンライン番組表
http://
▼おそらく、ＮＨＫのオンライン番組表はしばらくするとリンク切れになる
と思われるので、以下、書き写しておく。
・チャンネル / [Ｅテレ] 2014年1月20日(月) 午前0:45〜午前1:10(25分)
・番組内容 / 動物行動学の第一人者であるフランス・ドゥ・ヴァール博士が、
動物にも道徳性のようなものがあることを指摘する。
貴重な実験映像を使いながら、長年の研究成果を発表！
・詳細 / オマキザルにとって、キュウリは好きな食べ物。
だが、隣のサルにブドウが与えられると、不公平に怒って
キュウリを食べなくなる。動物行動学の第一人者であるフランス・
ドゥ・ヴァール博士が、動物にも道徳性のようなものが発現する
ことを指摘する。
われわれが、人間だけにあると思ってきた特性は、動物にも
あるのか？
貴重な実験映像を使いながら、ドゥ・ヴァール博士が長年の研究
成果を発表する。【出演】伊藤穰一、吹石一恵
・出演者ほか / 【出演】動物行動学者…フランス・ドゥ・ヴァール，
【キャスター】伊藤穰一，吹石一恵，【語り】オーウェン真樹
▼「犬、畜生にも劣る」という言葉がある。
「ひとでなし」「人非人」という言葉にも通ずる言葉で、動物を引き合いにして、
「人」の本質を失っていることを指す。
だが、果たして、「犬・畜生」に心がないかと言えば、実はそうではないらしいの
である。
動物行動学や動物心理学という学問領域からも、このことは裏付けられてきている。
だとしたら、人間の「性善・性悪」の説についても、これは遙かなる「生命系」の
「進化」というのであるか、どうかは知らないが、ともかく、わたしたちは
生まれてくるとき少なくとも生命体として、系統発生の歴史にたどり、母の胎内から
この世に生まれ出てきたのではないだろう。
もし、イヌの情愛よりも、ヒトのそれが劣るとするならば、それは先天的な
ものでなく、後天的、社会的なもののように思う。
-------------------------------------------------------------------
★ナラトさん担当の「日記」
▼『順不同』シリーズ (What's new： 2014/01/21)
2014年01月21日 ■順不同(11) / 「第６章」再読 (4)
2014年01月17日 ■順不同(10) / 「第６章」再読 (3)
2014年01月16日 ■順不同(09) / 「第６章」再読 (2)
2014年01月11日 ■順不同(08) / 「第６章」再読 (1)
2014年01月09日 ■順不同(07) / 「チェック」への返事
2014年01月01日 ■順不同(06) / 10年目の「元日の夜」
2013年12月28日 ■順不同(05) / 命日と八王子
2013年12月27日 ■順不同(04) / 「ソクラテスの哲学」
2013年12月26日 ■順不同(03) / 「老後初心不可忘」
2013年12月24日 ■順不同(02) / クリスマス
2013年12月23日 ■順不同(01) / 高取山 山頂を望遠
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★きつねくまぞう担当の「日記」
▼『獺狐余話』シリーズ (What's new： 2014/01/09)
2014年01月09日 ■獺狐余話(9) 「エールを送る(2) / 里中哲彦」
2014年01月05日 ■獺狐余話(8) 「エールを送る(1) / 保坂和志」
2013年12月30日 ■獺狐余話(7) 「あと千回の晩飯 (3) / 死と後悔」
2013年12月25日 ■獺狐余話(6) 「あと千回の晩飯 (2) / キツネの寿命」
2013年12月23日 ■獺狐余話(5) 「あと千回の晩飯」を読む ��
2013年12月22日 ■獺狐余話(4) 「あと千回の晩飯」を読む ��
2013年12月19日 ■獺狐余話(3) 「あと千回の晩飯 (1)」
2013年12月19日 ■獺狐余話(2) 「余話と夜話」
2013年12月18日 ■獺狐余話(1) 「もしもし きつねくまぞう です」
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★きつねくまぞう担当の「日記」
▼『狐思庵日乗』シリーズ (What's new： 2014/01/20)
2014年01月20日 ■「狐思庵日乗(12)」「多井畑厄神」紀行
2014年01月19日 ■「狐思庵日乗(11)」「田中正造」紀行
2014年01月18日 ■「狐思庵日乗(10)」「ひげ」紀行
2014年01月15日 ■「狐思庵日乗(9)」「西神中央」紀行
2014年01月15日 ■「狐思庵日乗(8)」 コメントへの返事
2014年01月14日 ■「狐思庵日乗(7)」「三宮」紀行
2014年01月12日 ■「狐思庵日乗(6)」 只今、午前２時
2014年01月10日 ■「狐思庵日乗(5)」 「十日えびす」紀行
2014年01月08日 ■「狐思庵日乗(4)」 協同学苑紀行
2014年01月06日 ■「狐思庵日乗(3)」 クリーム シチュウ
2014年01月03日 ■「狐思庵日乗(2)」 三が日終わる
2014年01月03日 ■「狐思庵日乗(1)」 初日から寝過す
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恨みといった感情に結び付いてゆく「ルサンチマン」、あるいは、
「不条理」への対応について、これらをどう処理すべきか、ということを
めぐる問題だった。
里中哲彦(著)『まともな男になりたい』(ちくま新書592)の第６章
「平衡感覚を生きる」にとりあげられた、福田恆存の「私の幸福論」への
私の『なってから書いてほしかった』という「不遜」な物言い、そして、
あえて「不遜」であることによって、かろうじて「不条理」を生き抜くことが
できる、といったこともあるのではないか、という「切羽詰まった状況」に
ついての発議である。
問題は、その考えが、結果、「自分を腐らせ、自分をつぶしてしまう」ことに
なりはしないか。そして、もし、ならないようにする回路があるとすれば、
これを「どう考えたらいいのか」という、自己点検にある。
▼キリストは十字架にかけられ、苦しみにさらされ、不幸に陥ったとき、
「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」(私の神よ、私の神よ、どうして私を
見捨てたのか)と、叫ばずにはいられなかった。
新約マタイ伝、第２７章４６節には、このようにキリストの「神を呪う」
言葉を書きとどめている。
キリスト教は、この「ルサンチマン」を昇華するための、ひとつの「考え」で
ある。
キリスト教によらず、「切羽詰まった状況」に追われ、追い込まれた者にとっては、
この「ルサンチマン」の処理が、抜き差しならぬ問題として浮上してきて、
この問題への対処として、ある「考え」をもつに至る。
▼吉本隆明『ほんとうの考え・うその考え』は、�ゝ楝�賢治が『銀河鉄道の夜』で
展開した、法華経の「ほんとう」の意味をめぐる「考え方」と、�▲轡癲璽漫�
ヴェイユにとっての「神」とは何であったのか、その彼女の「考え方」と、
�５賁鵝屮茱峙�」に見える、「神は潔白な者も、罪ある者も、みな等しなみに
打ち砕いてしまう。災禍がやってきて、突然、死をもたらしても、神は潔白な者の
受難を笑っている」というヨブの呪詛(『ヨブ記』第９章第２２〜２３節)、
この３者の「考え方」について、「ほんとうの考え」か「うその考え」かを
考察した「本」である。
キリスト教の、この問題についての論考は、古くは、田川建三『立ちつくす思想』で
読んだ。
吉本の「本」がすぐれているのは、「ルサンチマン」に関する論評や、
「ルサンチマン」の昇華の方法のハウ・ツーでなく、論評すべき問題点と
ハウ・ツーで示された方法について、それらの中にある「考え方」について
「うその考え」「ほんとうの考え」という、誰にでもできる・誰でも考える
そのような「考え方」と、そのような「考え」について述べていることにある。
▼「普遍宗教」という言葉がある。
それを最初に知ったのは、阿満利麿『法然の衝撃』という「本」だった。
いま、『「第６章」再読』を書きながら、自分についてのこの問題のこれから
を思う。
吉本は、どこかで「日本人にとって<家族>というのは<宗教>にかわり得るかも
しれない」と推量していたような気がするが、この先、私の<家族>に何があり、
どうなるか、それは、なるようにしかならないことだと思い定めている。
▼最後に、蛇足であるが、里中哲彦(著)『まともな男になりたい』の
第６章の最初の問題提起は、人間の「性善・性悪」の説についての考察であった。
著者・里中さんは「性弱説」なるものを対置していた。
・http://
これに関して、きのう真夜中、おもしろい番組をやっていた。
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▼おそらく、ＮＨＫのオンライン番組表はしばらくするとリンク切れになる
と思われるので、以下、書き写しておく。
・チャンネル / [Ｅテレ] 2014年1月20日(月) 午前0:45〜午前1:10(25分)
・番組内容 / 動物行動学の第一人者であるフランス・ドゥ・ヴァール博士が、
動物にも道徳性のようなものがあることを指摘する。
貴重な実験映像を使いながら、長年の研究成果を発表！
・詳細 / オマキザルにとって、キュウリは好きな食べ物。
だが、隣のサルにブドウが与えられると、不公平に怒って
キュウリを食べなくなる。動物行動学の第一人者であるフランス・
ドゥ・ヴァール博士が、動物にも道徳性のようなものが発現する
ことを指摘する。
われわれが、人間だけにあると思ってきた特性は、動物にも
あるのか？
貴重な実験映像を使いながら、ドゥ・ヴァール博士が長年の研究
成果を発表する。【出演】伊藤穰一、吹石一恵
・出演者ほか / 【出演】動物行動学者…フランス・ドゥ・ヴァール，
【キャスター】伊藤穰一，吹石一恵，【語り】オーウェン真樹
▼「犬、畜生にも劣る」という言葉がある。
「ひとでなし」「人非人」という言葉にも通ずる言葉で、動物を引き合いにして、
「人」の本質を失っていることを指す。
だが、果たして、「犬・畜生」に心がないかと言えば、実はそうではないらしいの
である。
動物行動学や動物心理学という学問領域からも、このことは裏付けられてきている。
だとしたら、人間の「性善・性悪」の説についても、これは遙かなる「生命系」の
「進化」というのであるか、どうかは知らないが、ともかく、わたしたちは
生まれてくるとき少なくとも生命体として、系統発生の歴史にたどり、母の胎内から
この世に生まれ出てきたのではないだろう。
もし、イヌの情愛よりも、ヒトのそれが劣るとするならば、それは先天的な
ものでなく、後天的、社会的なもののように思う。
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★ナラトさん担当の「日記」
▼『順不同』シリーズ (What's new： 2014/01/21)
2014年01月21日 ■順不同(11) / 「第６章」再読 (4)
2014年01月17日 ■順不同(10) / 「第６章」再読 (3)
2014年01月16日 ■順不同(09) / 「第６章」再読 (2)
2014年01月11日 ■順不同(08) / 「第６章」再読 (1)
2014年01月09日 ■順不同(07) / 「チェック」への返事
2014年01月01日 ■順不同(06) / 10年目の「元日の夜」
2013年12月28日 ■順不同(05) / 命日と八王子
2013年12月27日 ■順不同(04) / 「ソクラテスの哲学」
2013年12月26日 ■順不同(03) / 「老後初心不可忘」
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★きつねくまぞう担当の「日記」
▼『獺狐余話』シリーズ (What's new： 2014/01/09)
2014年01月09日 ■獺狐余話(9) 「エールを送る(2) / 里中哲彦」
2014年01月05日 ■獺狐余話(8) 「エールを送る(1) / 保坂和志」
2013年12月30日 ■獺狐余話(7) 「あと千回の晩飯 (3) / 死と後悔」
2013年12月25日 ■獺狐余話(6) 「あと千回の晩飯 (2) / キツネの寿命」
2013年12月23日 ■獺狐余話(5) 「あと千回の晩飯」を読む ��
2013年12月22日 ■獺狐余話(4) 「あと千回の晩飯」を読む ��
2013年12月19日 ■獺狐余話(3) 「あと千回の晩飯 (1)」
2013年12月19日 ■獺狐余話(2) 「余話と夜話」
2013年12月18日 ■獺狐余話(1) 「もしもし きつねくまぞう です」
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★きつねくまぞう担当の「日記」
▼『狐思庵日乗』シリーズ (What's new： 2014/01/20)
2014年01月20日 ■「狐思庵日乗(12)」「多井畑厄神」紀行
2014年01月19日 ■「狐思庵日乗(11)」「田中正造」紀行
2014年01月18日 ■「狐思庵日乗(10)」「ひげ」紀行
2014年01月15日 ■「狐思庵日乗(9)」「西神中央」紀行
2014年01月15日 ■「狐思庵日乗(8)」 コメントへの返事
2014年01月14日 ■「狐思庵日乗(7)」「三宮」紀行
2014年01月12日 ■「狐思庵日乗(6)」 只今、午前２時
2014年01月10日 ■「狐思庵日乗(5)」 「十日えびす」紀行
2014年01月08日 ■「狐思庵日乗(4)」 協同学苑紀行
2014年01月06日 ■「狐思庵日乗(3)」 クリーム シチュウ
2014年01月03日 ■「狐思庵日乗(2)」 三が日終わる
2014年01月03日 ■「狐思庵日乗(1)」 初日から寝過す
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★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
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