7.5/10
ジョージ・ジャック監督・脚本
ベラ・ラムジー ダニエル・クイン=トイ
ルビー・ストークス アール・ケイヴ
ジャスミン・エルコック ジェームズ・ノートン
コンラッド・カーン ニール・パトリック・ハリス
両親のすすめで、小児がんサバイバーたちのキャンプに参加することになった、寛解したばかりのアイヴィ(ラムジー)。最初は気乗りしなかったものの、同じ境遇の若者たちと交流するうちに、少しずつ心に変化が生じていく。
アイヴィは常に爆発寸前で、周囲の善意や優しさに反発し、自分でもどこに向ければよいのか分からない怒りを抱えている。その背景には、一緒に治療を受け、希望に満ちていた仲間が亡くなり、自分だけが生き残ったことへの後ろめたさがあるというのが深い。
そんな、周囲を巻き込んで騒動を起こしてばかりいたアイヴィが、キャンプでの交流を通じて変わっていく。ベラ・ラムジーの演技は素晴らしく、「ラスト・オブ・アス」のような特殊な世界観に頼らずとも、現代劇で十分に主役を張れることを証明している。同世代の俳優の中でも、感情表現の豊かさは際立っている。
タレントショーで「Sunny Dancer」として、それまで抑え込んでいた喜びを全身で発散させるシーンは、こちらまで嬉しくなってしまう。
大人側では、ニール・パトリック・ハリスがキャンプの主催者パトリックを好演。管理者としての杓子定規な振る舞いの裏にある思いをアイヴィに打ち明けるシーンが素晴らしく、彼自身の抱える喪失が、二人の関係に深みを与えている。アール・ケイヴも脇役ながら、斜に構えたお調子者で、何かと道を踏み外しがちな青年を好演していた。
キャンプという環境も巧みで、スマホ越しの交流ではなく、若者たちが顔を突き合わせ、時には衝突しながら関係を築いていく姿が、青春映画として実にうまく機能している。
小児がんを扱った映画なのだけれど、安易なお涙頂戴には走らず、子どもも大人も真正面からぶつかり合う、上質な青春群像劇に仕上がっている。観終わった後の清々しさが心地よい。おすすめ。
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