Brunello, il visionario garbato / Brunello: The Gracious Visionary
6.5/10
監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:ブルネロ・クチネリ、サウル・ナンニ、フランチェスコ・カンネヴァーレ、フランチェスコ・フェッローニ、エンマ・ファトーネ、ベアトリーチェ・カルラーニ、オプラ・ウィンフリー、リウ・タオ
近年、メゾンやデザイナーが出資して自社をアピールするドキュメンタリーが複数作られているけれど、本作は一味違う印象。
冒頭、田舎のブドウ畑を照らす夜のたいまつの風景から始まり、ブルネロ・クチネリが「クチネリ」になっていく人物形成の過程が、ジュゼッペ・トルナトーレらしいノスタルジー豊かな映像で語られていく。まさにトルナトーレの本領発揮といったところ。
半分まで観ても服飾の話には一向にならず、田舎で家族がどう精神的に豊かに暮らせるのかということに思いを馳せる。商品そのものよりも、まずクチネリという人間の思想や哲学を伝えたいという気持ちが伝わってくる。
(とはいうものの、クチネリの商品は自分の財布にはなかなか厳しいのだが)
後半になってようやくカシミアニットや工場の話になっていくのだけれど、それでも中心にあるテーマは「人間主体の資本主義」。こんな工場なら自分も働きたくなってくる。
企業PR映画ではあるはずなのに、観終わって残るのは服が欲しいという気持ちよりも、こんなふうに働き、暮らせたらいいなという感覚。
穏やかな気持ちになる一本。
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