今日は、モルゴーア・クァルテットの演奏会に行った。
プログラムは次のとおりである。
・ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第3番
・ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第8番
・ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第12番
演奏:モルゴーア・クァルテット
(ヴァイオリン:荒井英治、戸澤哲夫/ヴィオラ:小野富士/チェロ:藤森亮一)
会場:浜離宮朝日ホール (19:00 開演)
モルゴーア・クァルテットはショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲を演奏するために結成されたが、今日のプログラムはそのショスタコーヴィチなので、聴きに行こうと思ったのである。今年はショスタコーヴィチ生誕120年でもある。実はだいぶ前に初めてCDで第15番を聴いた時に、あまりに暗くて絶望感漂う曲で、これは無理かなと思った。他の番号もひととおり聴いてみたが、よく分からないまま放置していたのが実情だ。そんな訳で生で聴くのは初めてである。
まずは第3番から始まる。冒頭がなんとなく交響曲第9番の第1楽章と似たような雰囲気ではある。そのあとは皮肉っぽい雰囲気が続き、第4楽章以降は陰鬱になっていって、そのまま終わる感じである。こうやって見れば、ショスタコーヴィチらしい曲ということだろうか。きっちりと演奏され、久しぶりのショスタコーヴィチにはすんなり入っていけた。
続いては第8番だが、これは「ファシズムと戦争の犠牲者の想い出に」捧げる曲ということで、例のD-S-C-H が、分かりやすく何度も出てくるし、どこかで聴いたようなショスタコーヴィチ自身の作品の引用のようなところもある。ショスタコーヴィチ自身を内部に込めつつ、体制への抗議もそれとなく絡めたといえる曲なのだろうか。ショスタコーヴィチが詰まった曲を、ショスタコーヴィチ演奏をメインとするクァルテットが、素晴らしい演奏で聴かせてくれたといえるだろう。
休憩のあとは第12番番だ。2つの楽章だけだが、第2楽章がかなり長く、ここに全てが込められているのだろうか。その前に穏やかな感じの第1楽章があり、第2楽章に突入すると激しくはじまり、演奏が進んでいく。ところが、5分くらい進んだところで急に演奏が止まってしまった。チェロの弦が切れたのだ。その場で直して、第2楽章の始めから演奏し直した。いろいろな演奏会にいっているが、こんなことは滅多にない。そのこともあってか、かなり気合の入った凄まじい演奏であったように感じた。この曲の終わり方はベートーヴェンみたい? 最後は平和に終わるのである。
このあとは、荒井さんによるトークがあった。「ショスタコーヴィチの演奏は弦が切れることが多い」らしいが、本当だろうか。弦楽四重奏曲も全曲これまで何度も演奏していても、やはり2桁番号の曲は難しいのだだそうだ。最後はアンコール演奏で、ショスタコーヴィチの「黄金時代」よりポルカである。ショスタコーヴィチ自身による弦楽四重奏への編曲である。
今日は中秋の名月で、会場を出ると月の写真をスマホで撮っている人が結構いた。やや曇りがちではあるが、月は明るく輝いていた。
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