”ヴェロニカ・マクリーディは八十五歳の気むずかしいおばあちゃん。スコットランドの大きな屋敷にひとりで暮らし、お茶をしたり動物番組を見たりしながら、自分の遺産をどこへやろうかと考えている。ある日、南極でおこなわれている資金不足のアデリーペンギン研究を知った彼女は、遺産をゆずる相手としてペンギンがふさわしいかを見極めるべく、はるか南の大陸へと一世一代の旅に出た─。
世界16か国以上で翻訳刊行、明日を生きる希望に満ちた傑作ペンギン文学!”(本書の裏表紙から)
そもそもペンギン文学なんてものがあるのかという話はさておき。
面白かったです。
主人公のヴェロニカはなんとも気難しいおばあちゃんで、彼女が主体となっている文章は、皮肉に満ち溢れています。
はるばる出かけた南極のペンギンのコロニーで、ある日彼女はペンギンに襲われ、足を怪我して高価なバッグを駄目にされてしまう。
「まだ怒りがおさまりません。南極への大冒険は、結局のところ大失敗でした。センターの3人が私を厄介払いしたがっていることは十分すぎる程ハッキリしている上に、ペンギンたちも同意見とあってはね。まったく恩知らずな鳥だこと!(中略)
私はペンギンが嫌いになってしまった。
心変わりは女の特権です。
遺産を託すに値する崇高な大義は、ほかにもたくさんあるでしょう」
が、その後紆余曲折あって、ヴェロニカはペンギンと相思相愛の仲となっていく。
そこに彼女の悲しい過去、戦争、引き離された息子、初めて会っただらしのない孫、遺産相続の話などが絡まって行きます。
これほど非日常的な世界で遊べて、読書が好きでよかったとしみじみ思った一冊です。
これ、映画化してくれないかしらねえ!?
ヘイゼル・プライア著、原題は「Away With The Penguins」。
この2週間で他に読んだ本
「人生、山あり、時々谷あり」 田部井淳子
「晴れの日の木馬たち」 原田マハ
「アフターユー」 一穂ミチ
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