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2025年10月16日20:25

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【音楽】 みなとみらいアフタヌーンコンサート 〜死と乙女/ます

今日は横浜に室内楽を聴きに行った。「みなとみらいアフタヌーンコンサート」シリーズの一つで、「菊池洋子&郷古廉とN響の仲間たち」による演奏だ、
プログラムは次のとおりである。

 ・シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」
 ・シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」

   ピアノ:菊池洋子/ヴァイオリン:郷古廉/ヴァイオリン:村尾隆人
   ヴィオラ:村上淳一郎/チェロ:宮坂拡志/コントラバス:本間達朗
   会場:横浜みなとみらいホール (13:30 開演)

平日の昼間だというのに客の入りが結構多い。しかも高齢者ばかりかと思ったら、若い人もいて意外だった。今日のプログラムはシューベルトの有名な室内楽曲を2曲である。いずれもシューベルト自身による歌曲の旋律を用いていることから、歌曲作品と同じ名で呼ばれている。ただし、「ます」は厳密には正確な訳ではなく、ドイツ語の Forelle はサケ科サルモ属の魚なのである。アトランティックサーモン、ブラウントラウトなどが該当する。一方、「ます」はサケ科サケ属であり、サケ属のサケ以外を大雑把にマスというのである。ちなみに、寿司屋で「サーモン」として出されるのはアトランティックサーモンが代表格だが、回転寿司店などではサケ属のニジマスが「サーモン」として出されることが多い。なお「サケ」は生食は避けた方がよい。

前置きが長くなったが、ここでは慣習にしたがい曲名は「ます」と書くことにする。その前に1曲目は「死と乙女」である。弦楽四重奏であり、ピアノ(菊池)とコントラバス(本間)はお休みである。第2楽章に歌曲「死と乙女」が引用されているわけだが、単にこの曲の中に持ってきたというだけではなく、元の歌曲にあるような病いに伏している乙女と死神の会話が、この作品全体に広がっているような曲である。何かを予感させるような冒頭から、乙女と死神の会話、そして最後は何か浄化されるような、そんな感じに聞こえるのである。4つのパートがきれいに融合して、素晴らしい演奏であった。

休憩のあとは「ます」である。ピアノ五重奏曲というとピアノ+弦楽四重奏というのが一般的な構成だが、この曲はピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの五重奏である。そのためヴァイオリン(村尾)がお休みである。1曲目とは対照的に明るく愉しい曲であり、Forelle自体の動きや、そのForelleを釣る人を、生き生きと描いている。元の歌曲の原詩には、Forelleを釣り人が釣るように、男が若い娘を釣っているというオチがあったのが、シューベルトはその部分はカットして、純粋なForelle釣りだけを描いた歌曲としている。この五重奏曲もそんな訳で、教訓的な(?)オチは感じない、生き生きとした曲なのだ。やはり元の歌曲の旋律による変奏である第4楽章が一番面白い。演奏もピアノがリードするというよりは、弦楽をピアノが支えているようにも聞こえ、そこがうまくバランスが取れているのだと思った。

最後にアンコール演奏があったが、「ます」の第4楽章の第6変奏(コーダ)をもう一度演奏した。シューベルトの室内楽を生でじっくり聴くのは今回初めてかもしれない。よく知っている有名曲でも、生で聴くと何倍にも楽しめる。
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